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2019.3.10

魅せた17番 比嘉真美子、夢が結実

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2019年LPGAツアー開幕戦『第32回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億2,000万円 優勝賞金2,160万円)大会最終日が3月10日、沖縄県南城市・琉球ゴルフ倶楽部(6,514ヤード/パー72)で行われ、地元・沖縄出身の比嘉真美子が通算5アンダーで通算5勝目をあげた。3打差の通算2アンダー、2位タイは新垣比菜、穴井詩、エイミー・コガ。(天候:曇り時々雨 気温:20.5℃ 風速:3.7m/s)

 抱いた夢が叶う。スポーツの素晴らしいところだろう。山あり、谷ありの最終日。比嘉真美子は実力で夢を実現させた。「ゴルフをはじめて、この大会のボランティアをしました。いつか、こんな素晴らしい大会で優勝できる格好いいゴルファーになりたい。夢はたくさんあるけど、そのうちのひとつを叶えることができました。ありがとうございます」。

 パー4の3番で5メートルを決め、バーディーが先行した。この日もひとり旅の展開が予想されたが、勝負は筋書きがないドラマ。「とてもいい感じできょうのスタートを迎えることができた。でも、勝負どころのパッティングなどが決まらない。悪い流れを断ち切ることができず、ダラダラと……。本当につらいというか、しんどかった18ホールです」と大きなため息がもれた。ダブルボギーが2つも。第3日を終わり、7打差をつけていたのだから、なおさらである。楽勝ムードが、終わってみれば3打差に迫られていた。

 とはいうものの、17番のバーディーは地元のファンへ感謝のメッセージ。強烈な1Wから、残り98ヤード、PWを選択した第2打も右からのフォローの風を計算に入れたベストショットだ。パッティングもスキがない。「特に上がりの3ホールは風が強くなり、雨も落ちてきた。しかし、17番はすべてが完ぺき。良かったです」。

 まさに、これぞ、プロという、格好いいゴルファーを実践したのだ。比嘉の姿をみたジュニアが同じ夢を抱く。スターはそうして誕生するものだ。「初めてボランティアをしたのは、小学5年生。練習場で、ボールを渡していた。今でも、記憶に残るのは不動さん。ずっと賞金女王でしたから、こんなにすごい人がいる-と子どもながらに覚えています」と明かした。

 今シーズン、大きなテーマがある。さらなる高みを目指し、自己との対話を行う。コーチをつけない理由を、「特にありません」としながらも、「自分の力を高めることが、強くなる近道。いい面、悪い面、じっくりと私が考えます。今年は、とことん自分と向き合う気持ちになった。最大の変化がそれです」。

 また、優勝会見の最後で、3月18日で退任するLPGA専務理事・鈴木美重子へ感謝の言葉を添えた。「24年間、LPGAのためにありがとうございました。改めて感謝の気持ちをお伝えいたします」。始まりと終わりが交錯する複雑な心中を笑顔で締める。宮里藍以来、15年ぶり、沖縄県出身選手の優勝で、2019年シーズンは早くも、最高の盛り上がりをみせた。

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