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2019.3.17

Day3 松尾 恵 プラスワン テック

<Photo:Matt Roberts/Getty Images>

ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ 土佐カントリークラブ(高知県)最終日

 強くなればなるほど、勝負に対する美学が構築されるものです。優勝した鈴木愛さんの18番のプレーをみながら、そんなことを感じました。それにしても、呼吸を忘れるほど目を見張ったのは、このホールの第2打。すでに3ストロークのアドバンテージがあっても、安全策はとらない。あくまでも攻めに徹しました。ボールは魂が乗り移ったかのごとく、ピンへ向かいます。ただ、勝てばいいではなく、相手を突き放す。といった鈴木さんの美学が表れていました。

 とにかく、風が強い。風速8.4m/sの発表だったものの、最終組がバック9へ入ると、西から突風が時折、吹いてきました。技術だけではなく、風の計算をうまくできるか。その上で、精神力まで試されるラウンドだったようです。だから、状況をすべて踏まえると、この第2打の素晴らしさがおわかりでしょうか。まさに、1打の執念。きょうだけではなく、次へつながるショットでした。

 昨シーズンも前半から、好調。ところが、夏場に右手痛で快進撃がストップしてしまった。まだ全快とはいかないそうですけど、選手は多かれ少なかれ、持病と上手につきあいながら調整していくことも成長の糧ではないでしょうか。その上で、新しいスタイルを模索する。今シーズンの鈴木さんは、技術だけではない内面の成長がうかがえます。堂々とした優勝スピーチなど、LPGAツアーのトップ選手として貫禄十分。開幕戦優勝の比嘉真美子さんも、またしかりです。自身の発言が、威風堂々。ファンなどへ伝える力がパワーアップしていることが頼もしくなりました。

 同じ最終組でプレーした大城さつきさんも、気になる存在です。この日、76とスコアには苦しんだものの、第1日と第2日で披露したアイアンショットの切れ味には、目を見張るものがありました。昨シーズン、賞金ランキング50位で、2年連続のシード権を確保。今季は、スイングがリズミカルになっています。ボディーターンがスムーズでクラブヘッドがついてくる。去年まではスイング時、ボディーと腕のタイミングが時に一定しないことがあった、と見受けました。

 それだけに、今年はやりそうだというムードが伝わってきます。「どうしても、今年は優勝する」と言葉にすることが頼もしい。次週以降、好調を背景に再び、優勝争いに加わってくると感じました。

松尾 恵=担当理事

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