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2019.3.22

日本プロゴルフ殿堂顕彰者インタビュー 森口 祐子②

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 きょう22日、日本プロゴルフ殿堂の授賞式が開催された。今回の受賞を「奇縁」といい、「中嶋常幸さんと、一緒に殿堂入りできたことが本当にうれしい」と言葉が弾む。「実は」と切り出してから、ほほえましいエピソードを明かした。

 「我孫子の新人戦が一緒。また、お互いが1ホールで13という忘れられない経験もしています。ただ、ひとつだけ私は、申し訳ないことがあって…」。律義な人柄は、あぁ、勘違いも心に残る。いったい、どんなことかといえば-。

 「中嶋さんの誕生日は、10月20日。私は4月13日です。同期で、新人戦も一緒でしたから、私の方が先に生まれたと思い込んでいました。ゴルフの試合は当時、4月からスタートでしょう。だから、年齢はシーズン中、同じです。年上だと思い込み、中嶋クンと呼んでいた。ずっと…です」。

 ただ、実際には生年が違っていた。中嶋は1年早い、1954年生まれ。先輩だと指摘したのは、意外な人だった。「15年ぐらい前です。ある日、息子が高校生の時、『どうして、中嶋クンというの?』と質問されたわけ。私は4月生まれで、彼が10月生まれだから、と即答したまではよかったけど、西暦が違うでしょう。そう指摘を受けた。すぐに調べると、なるほどその通り。全身の血液が逆流するほど、はずかしかった。何はともかく、おわびの電話をしたら、中嶋さんは、『なんでぼくへ中嶋クンというのだろう、とずっと思ってけど、そう呼ばれることに違和感がない。逆に心地よかったから、これからも中嶋クンでお願いいたします』と電話の向こうで笑っていました。でも、先輩だとわかったら、とても中嶋クンとは呼べません。そういう意味で、とても親しい友人。器の大きな方ですよ」。縁は異なもの、だった。

 一方で、殿堂入りは改めてゴルフの縁を再認識することができた出来事という。「不徳の致すところですけど、少し疎遠になっていた方から、ニュースを見た、聞いたということで、お花や祝電などを頂戴しました。本当に、本当にうれしくて、まだご縁が続いているんだなぁと思うと、感無量。しばらく、お会いしていなかった方との、距離が近くなったことも殿堂のおかげです。皆さんが心から喜んでくださったことに、心から感謝を申し上げます」と深々と一礼をしていた。

 ちなみに、自宅を出る際、ご主人から、改めて「おめでとう」と祝福されている。続けて、「後輩のため、やらなければいけないことがたくさんあるよなぁ」のひとことに、スッと背筋が伸びたそうだ。


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