申ジエ、首位発進は『皆さんのおかげです』

＜Photo：Chung Sung-Jun/Getty Images＞

　2019年LPGAツアー第3戦『Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント』(賞金総額1億円　優勝賞金1,800万円)が3月22日、大阪府茨木市・茨木国際ゴルフ倶楽部(6,219ヤード/パー71)で開幕した。大会第1日は強風、寒さとタフなコンディション。3アンダーで申ジエが首位に立った。1打差の2アンダー、2位は上田桃子、S.ランクン、連覇を狙う鈴木愛。
(天候:曇り 気温:11.2℃ 風速:7.0 m/s)

　今季、賞金女王のタイトルへ再チャレンジする、申ジエが好スタートを切った。同じ目標を口にする比嘉真美子、鈴木愛が2019年の初Vを飾っている。ライバルたちの好プレーが、元世界ナンバーワンの実力者を覚醒させた。「今週、コースへ入るとき、うまくいきそうな感じがしてきた。パワーが体に充満したような…。前2週は残念、後悔などあまりいいところがなかった」という。

　気迫が違う。3番でボギーが先行したが、4番でピン右4メートルのバーディーパットを決めた。他にも8番の6メートル、15番の7メートル、16番の8メートルなどをねじ込む。「グリーンを読むのが本当に難しい。不規則でギザギザした感じです。近くに寄せるだけでも大変でした」とため息をつく。

　振り返ってみれば、開幕戦から予想しなかった天候で勝負の流れに乗ることができなかった。今季、合宿先のオーストラリアから来日したのはプロアマ大会前日。しかし、「プロアマ大会が荒天で中止になり、ラウンドができずぶっつけ本番でした。調子は悪くなかったけど、うまくリズムがつかめない。前週も何かすっきりしない気分」と説明した。

　それだけに、今回は負の流れを断ち切ろうと、気合が入っているわけだ。加えて、難コースも集中力を高めた。「イマジネーションが必要です。ピンが見えないホールも多い。イメージをきっちり出し、脳をフル回転させました」と話し、首位スタートを「寒くても最後まで応援してくださった、ギャラリーの皆さんのおかげです。きのうまでの好天が、うそのようでした。きょうは春の嵐のようです。体の芯まで冷えました。でも、集中力が途切れることがなかった。ありがとうございます」。

　満面の笑みを浮かべ、感謝の言葉を何度も口にした。皆さんのおかげ−。いい響きが耳に残った。