日本女子オープンゴルフ選手権競技　第3日目

宮里美香、悲願の初優勝へ！！

　LPGAツアー公式戦『日本女子オープンゴルフ選手権競技』（賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,800万円）の3日目が茨城県坂東市の大利根カントリークラブ 東コース（6,570Yards、Par72）で行われた。

　天候：晴れ、気温：21.8℃、風速：3m。昨日に続き穏やかな秋晴れとなった大会3日目。単独首位スタートの宮里美香は3バーディー、4ボギーの73とひとつスコアを落としたもののトータル8アンダー、2位の上原彩子とは4打差としている。3位には通算3アンダーの佐伯三貴。さらに1打差の4位には通算2アンダーで宮里藍が続いている。

　日本ツアーでの初優勝を目指す宮里美香が耐えた。難度の高いラフに加え、要所に配置された松の木枝が、視覚的にも狙い所を狭めている今回のコース。そして1万人の大ギャラリーの中で迎える最終組。そんなプレッシャーにも動じず、2番パー4では幸先良くセカンドショットをピン手前2mにつけバーディーを奪った宮里。「もともとショットは悪くない。5ヤード、10ヤード刻みの方向性でピンを狙う練習をしてきたのが、今生きています」。ピン位置が難しい状況でも、ピンの根元に向かって攻めていく攻撃的なゴルフはこの日も健在。7番パー5ではグリーン手前ラフから10ヤードの4打目を直接カップインし、13番パー5でも見事に2オンを成功させ、スコアを伸ばした。

　攻撃的なゴルフで3つスコアを伸ばし、このまま独走態勢に入るかと思われた宮里だが、後半はまさかの展開が待っていた。「ショットが乱れたというか、アグレッシブにできなかったです。もっと攻めれば良かった。攻めきれない自分がいました」と振り返る14番、16番では、短いパーパットを外しボギーとすると、17番、18番でもティショットを右に曲げ、さらにスコアを落とし、一時2位と7打差あったリードは4打となった。

　昨年の同大会では、2位と4打差で最終日最終組を迎えるも、78とスコアを落とし、6位タイに終わった苦い過去がある宮里美香。「去年と一緒の展開で最終日を迎えるなんて、逆にすごいですね。ただ、去年は去年。良い経験だったと思います。今はショットが本当に良いし、1打に集中することができれば、自ずと結果はついてくるはず。明日は自信を持ってやりたいです。今日は後半スコアが崩れましたが、飛びすぎていた昨日までに比べて距離が少し落ちて、アイアンのクラブ選択のジャッジが少し曖昧だっただけ。その辺に気づくのが少し遅かったかも知れません。ミスショットをするときの癖は自分が一番良くわかっているので大丈夫です」と自信は揺るぎない。

　「自分のゴルフに半信半疑じゃ戦えません。ショットに自信を持てれば攻めることができます。今の課題はエンジョイゴルフ！今日まで3日間楽しくやれていると思うし、自分を信じて明日もアグレッシブさを崩さないゴルフがしたいです」。1年前の雪辱を果たすべく、技術的にも精神的にも一回り成長した宮里。絶好の位置で迎える最終日、いざ悲願のタイトルへ。

通算4アンダー・2位　上原 彩子
「どっちかというとショットがベタベタ来ていなかったので、2パットのパーが多かったです。そんなに良いゴルフという感じではないですけど、このコースは我慢勝負になるので、しっかり耐えてパーを積み重ねていって、チャンスが来たときに獲れるようにと思っていました。このコースは本当に終わるまで何が起きるか分からないコースだし、悪い方にはまるとズルズルいっちゃうし、良い方にはまれば、昨日の（宮里）美香ちゃんみたいになりますし、明日誰がそうなるか分からないですけど、最後まで諦めずに頑張りたいです」。

通算3アンダー・3位　佐伯 三貴
「（出入りの激しいゴルフ？）そうですね。でもここはボギーの出るコースなのでしょうがないです。続けてボギーを出さないように気持ちをフラットにしてやろうと思っていました。パットは良かったですし、今日はショットも良かったです。今日は毎ホールギャラリーが多くて凄かったです。皆さん凄くマナーも良かったですし、気持ちよくプレーができました。毎日1つずつ伸ばすのが目標なので、明日もこれまでのように頑張りたいです」。

通算2アンダー・4位　宮里 藍
「（最初と最後が…）そうですね、でもトータル的には良い集中力で内容も良かったですし、自分の納得いくプレーだったので、たらればですけど、もしボギーが少なければ3つ4つ伸びていたかなぁと。12番で1mくらいのバーディーパットを外したので、そこでどちらかというと流れが切れてしまったかなというのはあります。でも終わってからの結果なので今は受け止めています。さっき（宮里）美香ちゃんに“一緒に回りたかった”と言われました。上原さんや沖縄勢が頑張っているし、もう1日ベストのプレーをしたいと思っています」。