2025.10.5
9年前のリベンジ達成 堀琴音が逃げ切りで公式競技初V
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2025シーズン公式競技第3戦『日本女子オープンゴルフ選手権』(賞金総額1億5,000万円・優勝賞金3,000万円)大会最終日が10月5日、兵庫県三木市・チェリーヒルズゴルフクラブ(6,616ヤード/パー72)で行われた。2位と1打差の首位でスタートした堀琴音が68をマーク。通算19アンダーで今季初優勝、ツアー通算3勝目を飾った。公式競技の優勝は初。2打差の通算17アンダー、2位に佐久間朱莉。通算15アンダー、3位にアマチュアの廣吉優梨菜が入った。
堀琴音の意地とプライド、そして執念が『日本女子オープンゴルフ選手権』というビッグタイトルを手元に呼び寄せた。9年前の今大会、20歳だった堀は首位と1打差の2位に入る。しかし、敗れた相手が当時17歳の畑岡奈紗だったことが、堀には重圧となった。自分が終盤にスコアを崩したことで、今大会史上初のアマチュア優勝を許した思いがどうしても残ったからだ。「畑岡さんは勝つべき人だと思いますが、プロが勝たないといけないと思うので、負けたことは本当に情けないです」と、アマチュアに勝利を譲った責任を1人で背負うようなコメントを残した。
最終日、2位に1打リードで迎えた堀だが、奇しくも同じ最終組で回るのはアマチュアの廣吉優梨菜だった。だれもが9年前の大会が頭の中を過る。「皆さん、そう言ってくださるんですけど、あの時は自分がヘタだったと思うので…。そこからいろいろ山あり谷ありで来て今がある。あまりそういうのは考えずに、しっかり地に足を着けて今ある1打を考えていければと思います」と、自分のゴルフだけに集中しようと心がけた。
1番ホールで廣吉がバーディーを奪い堀に並ぶも、すぐに2番ホールで堀がバーディーを奪い返して1打リード。その後、佐久間朱莉の猛追を受けて首位に並ばれることはあったが、追い抜かせはしなかった。結局、2打差リードのまま最終18番ホールを迎えた堀。ティーショットを右に曲げたが、ギャラリーに当たってボールは右ラフまで戻った。2打目をフェアウェイに刻んだ後、きっちりとグリーンに乗せてパーセーブ。最後まで一喜一憂せず、自分のゴルフに集中したことで、悲願である今大会制覇、公式競技での初優勝を飾った。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「実はきのうの夜からあまり眠れなかったですし、今朝も食欲がなかったんですけど、無理やり食べてという感じでした」と、前日からかなりのプレッシャーに襲われていた堀。ウイニングパットを決めた後、満面の笑みでバンザイポーズをしていたが、まさにいろんな思いからようやく解放された瞬間だったといえる。
この9年間、堀にもいろいろな出来事があった。シード権を失った時は「ボールが真っ直ぐ行かない、アプローチも寄らない、パッティングも入らないと、本当に絶望的でした」と、苦しさを吐露する。その後、ツアーで2勝を挙げるなど復活したが、23年に再びシード落ち。すぐに24年にシード復活と、堀自身が語るように山あり谷ありのゴルフ人生だったが、その間、心に抱き続けていたのは、今大会での優勝だった。
「やっぱり9年前に負けたことがいまだに心の中にずっとモヤモヤしていたし、この大会に勝つことで認められる感じがすると思い、頑張ってきました」。ホールアウト後に多くのギャラリーから祝福の拍手を浴びる景色を夢見てきたが、ようやくその夢が叶った。「次の目標は、公式競技2勝目。最終戦の『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』に勝つことです」。今大会の優勝で自信をつけた堀がどこまで活躍するのか、今後も要注目だ。
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