伊藤園レディスゴルフトーナメント　最終日

佐伯三貴が3年ぶり、涙のツアー2勝目！

　2010年度LPGAツアー第32戦『伊藤園レディスゴルフトーナメント』の最終日が、千葉県長生郡のグレートアイランド倶楽部（6,599Yards、Par72）で行われた。

　天候：曇り、気温：16.0℃、風速：2m。前日より肌寒い天候のなか行われた最終日。優勝争いは最終組の3人に絞られ、首位スタートの佐伯三貴が前半で広げたリードを守りきり、約3年ぶりとなるツアー通算2勝目を飾った。1打差の2位には中田美枝。さらに1打差の3位にはイ ナリ（韓国）が入った。賞金ランキング首位を独走するアン ソンジュはこの日66をマークし、4位タイ。ランキング2位の横峯さくらは7位タイに終わり、賞金女王獲得へは残り2戦でいずれも勝利することが必須条件となった。

　出だしの1番ホールで幸先良くバーディーを奪い、流れを掴んだ佐伯。前半を4バーディーの32で折り返し、後続を突き放しにかかった。しかし後半に入ると「バックナインは緊張しました」と言うように10番でティーショットを曲げ、この日初めてのボギー。その後は耐えるものの、16番終了時には2位と2打差に。2007年の今大会は同じく16番終了時に2位に2打差をつけながらも、池に入れるなどしてプレーオフ負け。奇しくも3年前と同じ状況で17番のティーに立った佐伯だったが、この日は違った。17番は惜しくも3パットのボギーとしたが「結果は前と一緒の形になってしまったけど、自分のモチベーションもスイングも去年よりトレーニングしてきましたし、努力は裏切らないと思ってやりました」と、18番は見事に2オン･2パットのパーで締め、3年越しのリベンジを達成した。

　前日にコーチである父からは「勝つ、勝たないはいいから、とりあえず10アンダーにしてこいと。2007年も担いでくれたキャディーさんだったので、2人で落としたものを拾ってこいと言われました」とハッパをかけられた佐伯。「2008、9年は自分のなかで苦しくて、ゴルフを辞めようと思ったときもありました。ドライバーが凄く曲がった時期もありました。でも自分にゴルフを取ったら何も残らないと思いましたし、ゴルフを辞めると言ったら『辞めていいよ』と家族に言われたので、逆に辞めないという感じになりました」。家族の愛に支えられ、初優勝後に迎えたスランプを乗り越えた。
「前回は逆転優勝で、今回は完全優勝。次はぶっちぎりで勝ちたいですね」。完全に自信を取り戻した佐伯が、残り2戦となった今年のLPGAツアーを大いに盛り上げそうだ。

2位　中田美枝
「最初の方は寒くて手の感覚がイマイチだったんですけど、何とかパーを重ねていって、6番で50cmのバーディーを決めてからは流れに乗れましたね。スタート前はバーディー7個が今日の目標だったんですが、チャンスに付いたところはほとんど入れられたかなと。今日の内容だったら5個が限界ですかね。それよりノーボギーで回れたことがすごい嬉しいです。今年の目標は優勝とリコーカップ出場だったので、あとは優勝ですね。残りの試合で良いプレーができれば来年に繋がると思います」。

3位　イ ナリ
「今日は一日疲れました。昨日心配していたほど緊張はしていなかったけど、プレッシャーはありました。17番（パー）は狙っていったパットが入らず、18番（ボギー）もチャンスを作りたかったんですけど、力が入りました。昨日今日と応援してくれた方のためにも頑張りたかったですけど残念です。でも3日間で8アンダー、ボギーも3つだけでしたし、ナイスプレーだったと思います。最近調子はいいので、もうちょっと頑張れたら優勝を狙いたいと思います」。

4位タイ　アン ソンジュ
「今日は久々にいいプレーができて自分でも感動しています。（昨日までに比べて）ショットが上手くいったのと、パッティングは今日が一番打てていたと思います。（賞金女王目前ですが、意識は？）それに関しては、考えていたら今日みたいないいプレーはできないと思うので、意識しないでいつもより2秒遅くしようと心掛けて、今日は上手くいきました。残り2試合も（賞金女王については）考えないようにしたいです」。

7位タイ　横峯さくら
「今日はチャンスらしいチャンスが少なくて、下からのパッティングが打てると思っても6～7ｍあったりして、我慢我慢という感じで…。最終的には一つ伸ばせたのでまずまずかなと。前半で2つか3つは伸ばしたいと思ったけど、チャンスにつかず…。やっぱり100ヤード以内のショットが課題ですね。調子自体は悪くないので、あと2試合で一つは勝ちたいと思います。（賞金女王は）可能性がある限り、あきらめずに頑張ります」。