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2019.6.2

原英莉花 待望のツアー初優勝

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2019年LPGAツアー第13戦『リゾートトラスト レディス』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会最終日が6月2日、静岡県浜松市・グランディ浜名湖ゴルフクラブ(6,560ヤード/パー72)で行われ、原英莉花がLPGAツアー初優勝を飾った。試合は通算14アンダーで並んだ、ペソンウとのプレーオフへ持ち込まれる大接戦。2ホール目で原がバーディーを奪取、1998年生まれの黄金世代でツアー7人目の優勝選手になった。通算12アンダーの3位タイは河本結、アマチュアの古江彩佳。(天候:曇り 気温:23.4℃ 風速:4.5m/s)

 プレーオフ2ホール目。原英莉花の表情が引き締まった。マッチプレーは強い-という自負がある。思い通りの第1打を放ち、2メートルのバーディーパットへトライ。「ソンウさんが対角でストロークして結構、切れました。でも、私は絶対に強くストロークしてカップインさせようと思って、逆に浅く…。これは入る。絶対に決める。迷いはなし」。ついに念願のLPGAツアー初優勝を飾った。

 最終日、7バーディーを奪ったが、1-3番の3連続。そして、14番から怒とうの4連続バーディーで首位に立った。最も記憶に残ったのは、17番。ピン横9メートルのバーディーだ。「第2打は100ヤード。寄せきれない。とても難しいパッティング。本音をいうと、ねじ込んだよりも、入ってくれたという表現が正しいかもしれない」。というわけで、プレーオフ2ホール目の素晴らしいパッティングは、まさに闘志の成せる業へ変化したのか。

 優勝が決まった。まるでウイニングランのように、15番から引きあげてくる原へ、ギャラリーから次々と「おめでとう」の声がかかった。「ホッとした。うれしい…。すごくいろいろな感情が入り混じった。涙を流すつもりはなかったけど、泣いちゃいました」とはずかしそうに語る。まだ、20歳とはいえ、師のジャンボ尾崎の影響は大。独自の勝負哲学がある。

 「絶対、悔し涙は流さない。熊本(KKT杯バンテリンレディスオープン)で泣きそうなぐらい悔しかったけど、ジッとこらえた」。黄金世代で7人目の優勝選手である。ところが、アマチュア時代は、勝みなみなどとは違い、エリートではなかった。最終プロテストも2度目の受験で合格。その1年前、受験に失敗し悲嘆していると、ジャンボから厳しい言葉を送られた。「おまえ、何歳なんだよ。まだ、20歳にもなっていないじゃん」。さらに、今年の目標として、「賞金女王」を掲げると、「何をいっているんだ」と叱責された。「大きな目標ではなく、目先の目標を決めろ」と。

 それも当然だ。まだLPGAツアーで未勝利だったのだから、なおさらだろう。通算37試合目でつかんだ待望の1勝。次週は2勝目へチャレンジする。「早く2勝目を。大事なことは2勝目をあげることです」。シックなネイビー×ホワイトのコーディネートは新鮮に映った。

 「これ、勝負服です。紺と白は、ここ一番の時に。いろいろとカラーの勉強をして、白は心を真っ白にしてくれるし、ブルー系は冷静でいるために、このコーディネートになった。朝から、ピリッとしてとても集中できたと思います」と語っている。ちなみに、ジャンボは紫が勝負カラー。闘志の赤と、抑制の青という正反対の色彩が混ざり合って感性を豊かにする効果をもたらすそうだ。

 ニューヒロインが誕生した。LPGAツアーを席けんする黄金世代、おそるべし−。

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