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2019.9.1

鈴木愛V『渋野ちゃんじゃなくて、ごめんなさい』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 LPGAツアー26戦『ニトリレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が9月1日、北海道小樽市・小樽カントリー倶楽部(6,650ヤード/パー72)で行われ、首位タイスタートの鈴木愛が通算11アンダーで今季4勝目をあげた。2位は通算9アンダーの申ジエ、アンソンジュ。また、通算7アンダー、5位の渋野日向子は継続中の連続イーブンパー以上ラウンド数を28に伸ばし、歴代1位タイとした。(天候:晴れ 気温:25.2℃ 風速:4.6m/s)

 鈴木愛、表彰式の優勝スピーチは「渋野ちゃんじゃなくて、ごめんなさい」からスタートした。笑いを誘い、自身も笑顔。「たくさんの方が、愛ちゃん頑張って-と声をかけてくださった。声援が心に響き、力になりました。ありがとうございます」と感謝のメッセージを添える。今季4勝目、LPGAツアー通算13勝目は、本当に強かった。

 集中力と勝利への執念の最終日である。名うての難コース小樽カントリー倶楽部へのチャレンジャーとして、1メートルのウィニングパットをど真ん中から沈めてみせる。小さくガッツポーズをつくってみせた姿も、バッチリと決まった。

 「この1ヶ月間、まったく自信がない。たった1メートルのパッティングが、ものすごく長く感じた。それでも、繰り返し練習してきたし、最後の1メートルは試練のテストのつもりでしたね。これだけ、強い選手がいて、しかもコースは難しい。勝てたことが自信になるでしょう。今回は、いつも以上に落ち着いてプレーできた」。集中力の賜物だったことをアピールする。

 戦況は一進一退。それでも、一喜一憂することはなし。淡々とラウンドを重ねた。コース最高難度の16番。アンソンジュと10アンダーで首位を並走し、「ここが勝負」と自分へ言い聞かせた。残り204ヤードの第2打を、3Wでグリーンオンし、きっちりとパーセーブ。一方のアンは、第2打をグリーン右に外し、ボギーとした。確かに勝負の分かれ目。流れを的確につかんでいた。

 舞台裏では、生命線のパターの選択と、パッティングスタイルの変化で勇気を示す。ひとまわりヘッドが大きい、鮮やかなピンク色のマレットタイプへスイッチ。「週明けの月曜日、練習グリーン脇で15本ぐらい並んでいた中から、パッと見てこれに決めた。ピンクは可愛すぎる。ちょっぴり恥ずかしい感じでも、感触がすごく良かった」と明かす。また、「ボールから遠くに立ちすぎている意識があった。だから、靴一足分(25センチ)近づいてみたら、4日間アンダーパーでプレーできた」と話した。

 出場165試合目で生涯通算獲得賞金が、6億円を突破。歴代4位、日本人選手では史上最速のスピードだ。また、今季の賞金ランキングでは、3位へ浮上して、2173万4,833円差で首位の申ジエに迫った。「この試合で上位を獲られてしまうと、チャンスがないと思っていた。(タイトルを)少し諦めていた気持ちもあったけど、また弾みがついたと思います」。

 鮮やかなピンクがひと際映えた、二百十日である。

(メディア管理部・森谷 清)

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