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2019.9.22

渋野日向子 シンデレラも仰天の大逆転V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 LPGAツアー第29戦『第50回デサントレディース東海クラシック』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会最終日が9月22日、愛知県美浜町・新南愛知カントリークラブ美浜コース(6,437ヤード/パー72)で行われ、渋野日向子が通算13アンダーで大逆転優勝。20位タイから、1日で8打差をひっくり返すミラクルVだった。通算11アンダー、2位タイは申ジエ、上田桃子、濱田茉優、李知姫、テレサ・ルー。(天候:曇り 気温:26.5℃ 風速:5.1m/s)

 50回大会のフィナーレは、LPGA史上に残る大逆転劇。ツアー史上2位の大差をひっくりかえした。ヒロインは、渋野日向子。8打差をひっくり返した。シンデレラはまたも奇跡を起こす。

 「優勝した私が、たぶん一番驚いている。これほどのスコアが出るとは思っていなかった。また、ノーボギーでプレーできるなんて、まったく考えていない。8打差がついた昨日、たぶん(優勝は)無理だなぁと感じたから、きょうは最後の最後まで、悔いを残さず攻めることが目標です。18番のバーディーパットは外れたけど、悔いはありません」と短い間に、1日を振り返った。

 とはいえ、もっとも印象に残ったのは、「きのう、きょうと(台風17号の影響で)天候があやしい。雨にも降られなかったし、朝のうちは風がないとか、終わってみれば、心から幸運でした」とも。

 それはそうかもしれない。渋野がホールアウトすると、なぜか風が強くなりはじめ、時折、雨も…。勝負は時の運とはいわれるが、改めて神の子ではないか。そんな印象をもったファンもたくさんいたに違いない。

 序盤からアグレッシブだが、安定感は抜群。4番から3連続バーディーを奪って加速する。ただし、いつものような笑顔はなかった。パー3の16番までは-。第1打を外して、ボールはグリーン左のラフへ飛び込んだ。

 「1メートルぐらいに、寄せられるかなぁ」と、手応えがあった14メートルのアプローチは、見事なチップインバーディーだった。その瞬間、右手の拳をギュッと握りしめ、少ししてから笑顔がこぼれる。この日、8つ目のバーディーで、通算13アンダーとして、単独首位に立つ。

 あとは申ジエ、テレサ・ルー、イミニョンという最終組の状況しだい。しかし、実力者トリオは、スコアを伸ばせない。ホールアウトしてから、優勝が決定するまで90分間、プレーオフへ備えて準備を行った。あえて、「途中経過は確認しませんでした。パッティング練習を頑張るぞ。そんなことを考えていた」と話した。

 AIG全英女子オープン優勝で、一気に周囲の環境が変化。シブコフィーバーが巻き起こる。「ツアーに出はじめた頃、試合に出られることだけでうれしかった。でも、全英の優勝後は、当たり前のように、試合へ出させていただけます。うまくいかないプレーで、感情を出してしまったこともある。ゴルフを楽しむことができなかった」と、笑顔の裏の苦悩を明かした。

 しかし、「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯が終わって、何かが吹っ切れた。自分へ、プレッシャーをかけていたのかなぁ。(連続オーパーパーなしの)記録が途切れて、なぜか、ありのままの自分に戻ることができた」と、屈託のない笑みを浮かべている。今回の優勝で、年間獲得賞金が1億円を突破。1位の申ジエと1千万円差に迫り、2位へ浮上した。

 「実感がわかない。ルーキーイヤーからの1億円プレーヤーは、なかなかなれないことでしょう。予想をしていなかった結果ばかりです、今年は。だから、(私も)なかなかついていけない。ただ、期待されることはやりがいも多い。結果を出せば、多くの皆さんが喜んでくださいます。私は、そんな恵まれている環境にいるのですよね」と質問に答えながら、もう一度、足元を確認。

 無限の可能性をアピールした凱旋優勝で、次なるターゲットを宣言した。「皆さんが思っている、賞金女王かな」。残り10試合、シンデレラ伝説は一気にエピローグへ向かう。

(メディア管理部・鈴木 孝之)

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