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2013.5.12

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日

メジャーを狙って勝った!36歳、茂木宏美の長い一日

狙って勝った茂木宏美の、メジャー初V!LPGAツアーの公式戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,400万円)。茨城県つくばみらい市の茨城ゴルフ倶楽部西コース(6,669ヤード、パー72)で、最終日が行われた。

2位タイでスタートした茂木宏美が68で回り、通算9アンダーで通算6勝目、念願のメジャータイトルを獲得。2打差の通算7アンダーで佐伯三貴が入り、3位は通算6アンダーの森田理香子。16歳のリディア・コ(ニュージーランド)が68の好スコアをマークし、通算5アンダーでベストアマチュアに輝いた。(天候:晴れ、気温:22.7℃、風速:1.2メートル、ギャラリー:11,021人)

メジャーを手中にするための1,000日計画。そのエピローグは、見ている側に立てば、簡単そうに映った。この日は最終組、一緒にプレーするのは、佐伯三貴、森田理香子という飛ばし屋の2人。体形も違う。しかし、終始、大きく見えたのは159センチ、57キロと小柄な茂木宏美だった。

「プロになってから、先輩の選手の背中を見ながら勉強してきました」という。フィジカルに勝る相手と対戦する際、「苦しい時は、私の背中を見なさい」という名言を残したのは、なでしこジャパンで世界一になった澤穂希。かつて、背中といえば、強い男の代名詞だったが、現在は強い女子アスリートの必要アイテムとなった。同組の2人は、こう証言する。
佐伯「茂木さんが素晴らしかったので、影を踏むこともできなかった」
森田「全く無理をしていない。茂木さんには、攻めと守りのバランスを勉強させていただきました」


スタートの1番で名刺代わりの2メートルのバーディーを奪うと、5番でも手前から3メートルをカップイン。しかし、勝利を引き寄せたのは8番だった。ティーショットを右にはずし、アプローチもミスして、4メートルのパーパットが残る。これを何事もなかったように決めた。「よく試合で勝つ選手は、こんなことがある。きっと、勝利の女神は私にほほ笑んでいると思いました」。ピンチの後にはチャンスがある。続く9番では、きっちりとバーディーをとり、単独首位で前半を折り返す 。

「きのうもお話しましたが、優勝を意識したのは16番が終わってから。もちろん、スコアボードは見ていません」。その16番。何と、8メートルのバーディーパットが、カップへ吸い込まれた。これで勝負あり。飛距離で勝っても、優勝争いを演じた佐伯、森田からしてみれば、常に茂木の背中を見ていたことになる。


このシーンを夢見ながら、1,000日もの長い戦いがあった。「結婚する直前、3年前でした。モチベーションが下がったのは、若手が活躍していて、30歳を超えた自分は、このまま粘っているだけの選手でいいのかなぁ、と自問自答ばかりを繰り返していたんです。そんな時、主人と出会って、限界までやればいい、おれがサポートするよ、と言ってくれた。それで、自分の職業は、プロゴルファーだ、これからはトーナメントでプロの仕事をみせると誓いました。それには、メジャーで優勝するのがいい」。実は、ここ1年ぐらい、「優勝シーンを夢に見るほどだった」とも。

飛距離を捨て、ミスを極端に少なくするスタイルを目指し、メンタルを強くすることも独自でマスターした。この日を迎えるための、石の上にも3年の準備。2位に2打差とはいうものの、完璧な勝利といえるかもしれない。「プロとして試合に出していただいている以上、最後まで、しっかりとしたプレーを見ていただくのが、私の仕事だと思う。だから、きょうのような日は、ノーボギーでなくてはいけませんね」 。

ボギーフィニッシュとなったことが、自身への戒めとなり、あすからは再び、精進の日々がやってくる。佐伯、森田だけではなく、今大会へ出場した世界のトップ選手は、なでしこを思わせる茂木のプレーを、どう感じたのだろうか。


完敗―。佐伯三貴はこの日も、さわやかな笑みを浮かべながら、クラブハウスへ引きあげてきた。4日間、常にスポットを浴びていたが、3試合連続で主役を演じることはできなかった。「前半から、チャンスにつけることが…」と前置きして、「ティーショットが右へ、右へ曲がってしまった。それを改善しないといけません」と総括している。にもかかわらず、4日間、安定したスコアを残したことは、より地力をつけた証明だろう。

「メジャーを勝つには運でしょうね。でも、きょうは最後の2ホールでバーディーがとれた。単独で2位なので良し、とします」。今季の獲得賞金は、早くも5,000万円を突破した。メジャー制覇の夢は次回へ持ち越したが、賞金ランク1位の指定席は譲らなかった。


森田理香子 (3位:-6)
「気持ちだけは負けないつもりだった。でも、ショットが悪すぎた。メジャー制覇といわれても、まだ私には早いですね(笑)」 。


リディア・コ (4位タイ:-5)
「日本ツアーのレベルの高さに驚きました。まだ、私はアマチュアですね…。ただ、母が一番欲しい、と話していたナイススコアをきょう出すことができました。母の日にいいプレゼントをできました」。

柳簫然  (4位タイ:-5)
「チャンスはつくっても、パッティングがダメでした。そうはいっても、大勢のギャラリーの前でプレーすることは楽しい。秋のミズノクラシックでは、もっといいプレーをしたい」。

横峯さくら  (7位:-4)
「最終日はピンの位置が難しく、攻め切ることができなかった。全体の調子は悪くなかったけど…」。

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