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2019.11.16

『優勝しても最後』大江香織はブレない

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

伊藤園レディスゴルフトーナメント グレートアイランド倶楽部(千葉県)第2日

 ファイナルは時として、予期せぬストーリーを演出する。12日、今大会を最後に第一線から退くことを発表した大江香織が通算10アンダーで、首位タイへ浮上。4連続を含む、6バーディー、ノーボギーのプレーで、「こんなにいいプレーができるとは…」。驚いたのは本人だった。

 「プレッシャーがまったくない。今回は、とりあえずピンだけを狙って、どこへ行ってもいい。そんな感じでプレーしている。たまたまとは思うけど、うまくいっています。ただ、ショットの感触は今シーズンで一番」と言葉が弾んだ。解脱ともいいたくなるような、自然体のプレーが好スコアの原動力。

 あすは久々の最終日、最終組だ。やはり、気になるのはもし優勝したら-だろう。「いやいや。絶対にない。(たとえ優勝をしても続行は)ありません。最終戦の時は、もう予定があるし。ブレないです」。サラリといってのけた。それにしても、もったいない。

 そして、プロゴルファーとして、叶わなかった夢を語っている。「宮里藍先輩と、一緒にラウンドをすることが、できなかった」。遠くを見るような目でいい、こんなエピソードも加えた。「去年、優勝した後、欲しくて仕方がなかった車を買いました。だけど、手に入った途端、一気に気持ちが冷めてしまって…。物欲がまったくなくなった」と苦笑しながら、ポツリと漏らす。

 いつも、本音で語る選手のひとり。また、どんな時も控えめな印象がある。あすをどういう1日にしたいのだろう。「失格にならないように、気をつけます」。プロフェッショナルの基本を、この日も言葉にした。

(メディア管理部・中山 亜子)

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