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2013.6.27

アース・モンダミンカップ 1日目

10代でのツアー3勝目へ好発進!
64をマークした、比嘉真美子の貪欲・慎重・向上心

 2013年度LPGAツアー第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)が、千葉県袖ケ浦市のカメリアヒルズカントリークラブ(6,516ヤード/パー72)で開幕した。ツアーでの自己ベストとなる64をマーク、8アンダーで首位スタートしたのは、比嘉真美子。3打差の5アンダー、2位には、辻村明須香、大江香織がつけ、4アンダー、4位グループは、全美貞(ジョンミジョン・韓国)、下村真由美、藤本麻子が続いている。 2週連続Vを狙う吉田弓美子、ディフェンディングチャンピオンの服部真夕は2アンダー、19位タイにつけた。
(天候:晴れ、気温:24.5℃、風速:5.0メートル)


 おそらく、比嘉真美子の辞書には「満足」や「完璧」の2文字はない。それこそが、19歳の若さにもかかわらず、トッププロの地位を築いた要因だと感じた。この日、64の好スコアをマークしたにもかかわらず、まだまだと自身を奮い立たせる。「もっと、スコアを伸ばせるチャンスがありました」と第1日を振り返った。64をマークしたのは、沖縄県立本部高2年の県大会以来だという。もちろん、ツアーでは自己ベストとなる。それを素直に喜ぶのが、普通の19歳だ。ところが、2番で3メートルのバーディーチャンスをはずしたことを反省するあたり、やはり今季2勝の好成績につながっているのだろう。この日は、アイアンショットがことのほか、好調。「自分で最も自信がある100ヤード前後を残すことができた。それが良かったのでしょう」。そうすることで、パッティングのリズムも上向いた。


 もし、今大会で逃げ切りVを果たせば、10代でのツアー3勝目となる。かつて、宮里藍は10代で8勝を挙げているが、生涯獲得賞金で8億円を突破した横峯さくらでも、ティーンエイジャー時代は、2勝を挙げたのみだ。「4日間、ビッグスコアを出すのは難しい。だから日々、今日のように新鮮な気持ちで臨めたらいいなぁ、と思います」と、気持ちを切り替えていた。そうはいっても、常に高みを目指す姿勢には変わりない。いつも、目の前のショットに全力投球すると同時に、次の一打も考えるのが、比嘉流のマネジメント術。誰かに指導されたわけではない。すべてが、自身で考えたものだ。

 練習方法も同様だった。がむしゃらにやってもすべてが吉と出る可能性は少ない。長いシーズンを戦うためには、短時間で効果のある練習法が効果的。「鏡に自分の姿を映して、クラブを握らずにイメージトレーニングを毎日、数分間でも欠かさないようにしています」という。もちろん、心の鏡も磨き上げることを忘れない。なるほど、ゴルフは自分との闘いだった。


 今季のシード選手の平均年齢は26.7歳。過去、最も若い世代がツアーを席巻中だ。それだけに、辻村明須香の口から、こんな言葉が飛び出してきた。「年も年だし、疲れるし…。第2の人生を考えたこともありましたね」。ちなみに、辻村は30歳。とてもそんなことを口にする年齢とは思えないが、経験では一日の長があった。寝違えて首を痛め、あまりショットの練習ができない。そこで、SOSを発信したのが、同期でツアーからは引退し、レッスンを中心にして活動している赤堀奈々だった。「ショットができなければ、パッティング練習をすればいい」とメッセージを。赤堀も同期の親友のピンチを無視するわけにはいかない。24日の練習ラウンドから駆け付けた。ロングパットを歩測してからストロークする練習。また、試合でのプレッシャーがかかる局面を想定してリズムを速めにすることや、打ち出しではなく、カップへ入る手前1メートルからラインをつくる練習など、さまざまなアドバイスを行った。おかげで、この日は23パット。12番ではカラーから、25メートルの下りスライスラインというピンチでも、チップインバーディー。アプローチまで冴えた。


 一方で、ダイエットに励む女性には、うらやましいような悩みを抱えている。「体が疲れると、筋肉まで一緒に落ちてしまう。すぐに2キロぐらいはやせてしまう」。ただ、辻村はアスリート。体重減は飛距離が落ちるなどマイナス要素となる。3年前から、週に1度は大阪にあるダイナミックスポーツ医学研究所で、トレーニングを。現役時代の野茂英雄さん、競馬の武豊騎手など、多くの超一流アスリートが、ここで指導を受けた。「ゴルフに使う筋肉を鍛えています。75キロのバーベルを背負って、スクワットなど、結構、大変ですよ」と前置きして、「若いころは、今週ダメでもまた次があると思った。でも、今を頑張らないと、第2の人生も頑張れない。勝ちたいとか、そんなことは考えずに、最後までリズムを崩さないことを考えてプレーします」。若さに勝るのは、多くの経験だ。無欲の欲で臨む辻村。かなり怖い存在となりそうな予感がした。

大江香織 (2位タイ:-5)
「パットがよかったです。ボギーのピンチもありませんでした。優勝は意識していませんが、上位にいけそうだなという感触はあります。パットが安定しているので、気持ち的に楽にできています」。

下村真由美 (4位タイ:-4)
「(2番パー4でショットインイーグル)トップしたら入りました(笑)。このコースは広いので、落としどころを決めてやっています。明日からも同じように、いつも通りやりたいですね」。

藤本麻子 (4位タイ:-4)
「ショットはイマイチだったんですけど、チャンスでパットが入ってくれて、いい流れに乗れました。残り3日、いい緊張感をもってプレーできると思います。明日からも流れに乗れたらいいですね」。

城間絵梨 (7位タイ:-3)
「(今日20歳の誕生日)朝起きたら『おめでとう』って携帯にいっぱい入っていたので、いい誕生日にしたいなと思いました。1週間通してこういうプレーをしたいですね。明日からも、いつも通り楽しみながらプレーをしたいです」。

服部真夕 (19位タイ:-2)
「(ディフェンディングチャンピオンとして臨んで)スタートで紹介された時は意識しましたが、その後はあまり意識せずやりました。気持ちだけは負けないように、疲れを溜めずにあと3日戦いたいです」。

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