中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン　最終日

ケガの功名
アンソンジュが今季2勝目を飾り、史上最速で生涯獲得賞金5億円を突破

　2014年度LPGAツアー第12戦『中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン』（賞金総額7,000万円、優勝賞金1,260万円）の大会最終日が、愛知県豊田市の中京ゴルフ倶楽部 石野コース（6,459ヤード／パー72）で開催された。

　首位からスタートしたアンソンジュ（韓国）は前半でスコアを一つ落としたものの、後半3バーディーを奪って後続を引き離し、通算8アンダーで今季2勝目を飾った。3打差の2位タイには、佐伯三貴、酒井美紀、李知姫（イチヒ・韓国）、フェービー・ヤオ（台湾）、笠りつ子、横峯さくらの6名が並んだ。（天候：晴れ、気温：25.7℃、風速：2.0メートル）

　アンソンジュが今季2勝目、通算15回目の優勝を飾った。併せて、生涯獲得賞金5億円を突破した。108試合目での突破は史上最速。これまでの横峯さくらが持つ149試合を抜いて新たな記録達成となり、2重の喜びとなった。記録を達成したこの日も「伝説的なプロがいる中ですごくうれしいです」と、涂阿玉、岡本綾子、森口祐子、不動裕理など“伝説”の永久シード者と肩を並べたことを喜んだ。

　満身創痍での大記録達成だった。数週間前から体全体に痛みを感じていた。手首、首、腰、足首…。慢性的な故障は抱えていたが、特に最近は故障箇所が多くなってきた。先週、韓国に戻り、治療を受けた。しかし、完治には時間がかかる。そこで、故障の原因になっているスイングの改造に着手した。アンはアップライトのスイングが特長だが、そのスイングを若干フラットにしてダウンブローに打ち込む角度を少なくした。手首、腰への負担を軽減するためだ。

　そして、今日の優勝。「いい成績は出ないだろうと思っていたんですけど、結果優勝もできて…」と、スイング改造の結果が早々と出たことに本人も驚いた様子。さらに、副産物もあった。「スイングを変えてゴルフが楽しくなった」と、微妙なスイングの修正がゴルフへの愛情を再確認するきっかけにもなった。ケガをしたことで生まれた「優勝」と「ゴルフへの愛」だった。

　これで、通算15回目の優勝となり、表彰式後、抱き合って優勝の喜びを分かち合ったLPGA会長の小林浩美と並んだ。16勝目、17勝目、…。数々の記録を作ってきたアンには新たな伝説への挑戦が始まる。次の伝説物語はいつ聞かれるのだろう。

横峯さくら （2位タイ：-5）
「（今年最高順位？）そうですね。でもまだ良い時と、悪い時の波があるので、そこの幅を狭めていけたらと思いますね。今日は欲がでてしまって、まだまだだなと思いました。ショットに意識を向けないようにと思ってやっていましたけど、そろそろショットにも意識をむけてやっていければ（優勝に）近づいていけると思います」。

李知姫 （2位タイ：-5）
「ショットは良かったんですけど、パターが入ってくれませんでした。流れが良くなかったですね。ショットが良かっただけに、もう少し伸ばせた気がします。チャンスはあるかなと思って優勝を狙ったんですけどね。いい形で終わることは出来たので、来週に繋がると思います」。

佐伯三貴 （2位タイ：-5）
「ちょっともったいなかったけど、ナイスプレーでしたね。ピンの位置が難しかったですね。（体調は）見ての通り絶好調です。アイアンショットが抜群ですね。あと、ティーショットもストレスなく打てているので、ショートゲームにも繋がっていると思います。この調子を維持しつつ、来週からまたしっかり戦えるようにしたいです」。

笠りつ子 （2位タイ：-5）
「今日は落ち着いて回れたので、次に繋がると思います。ティーショットは良かったので、セカンドもいいところから打てることが多かったです。パターは入ったり入らなかったりでした。最近予選落ちばかりだったので、疲れはないので、この調子で流れを崩さずうまくいけたらいいなと思います」。

酒井美紀 （2位タイ：-5）
「初日からショットがあまり良くなくて…。パターが良かったので、耐えていましたけど、予選落ちになっても仕方ないと思うくらいショットが悪かったです。来週はパターの調子を維持して、体調管理をしっかりして、あとはショットを安定させて臨みたいです」。

フェービー・ヤオ （2位タイ：-5）
「全体的にアイアンショットが良かったです。パターは距離感が合わないことが多かったです。思ったより速かったり、思ったより遅かったり。ティーショットはまぁまぁでした。（来週は）全力を尽くすだけですね。優勝は考えていないです。調子は悪くないので、この調子でやっていきたいです」。