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2014.6.26

アース・モンダミンカップ 1日目

アース・モンダミンカップ開幕 賞金女王奪回へ、視界良好!
今季4日間大会3戦2勝のアンソンジュがロケットスタート

 2014年度LPGAツアー第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)の1日目が、千葉県袖ケ浦市のカメリアヒルズカントリークラブ(6,516ヤード/パー72)で開催された。

 今シーズン、4日間大会で3戦2勝のアンソンジュ(韓国)が、7バーディー・1ボギーとロケットスタートを決め、6アンダーで単独首位に立った。1打差の2位に酒井美紀。4アンダーの3位タイグループには、大山志保、服部真夕、テレサ・ルーなど8人がつける激戦ムードとなった。(天候:雨、気温:22.7℃、風速:1.7メートル)


 アンソンジュは、4日間大会の顔。そう呼んでしまいそうになる。この日も7バーディー、1ボギーと、他の追随を許さないプレーを見せた。

 「1週間の休み明けだったので、今週はリラックスして、ゆっくり行くつもりでした」。しかし、ティーショットはきっちりとフェアウェイをキープ。雨でグリーンにボールが止まりやすく、ピンデッドで狙っていけることも味方した。「作戦通り、うまくいきました」とニンマリ。

 今シーズン、賞金女王の奪回を目指しているが、とりわけ4日間大会になると無類の強さを発揮するのが、大きな特長だろう。『ヤマハレディースオープン葛城』、『サントリーレディスオープン』で優勝。『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』でも4位へ食い込んだ。「72ホールの試合は、一日悪くても次の日に挽回すればいい」。このゆとりが、とてつもないアドバンテージとなっている。

 また、一時帰国したとはいうものの、遊んでいたわけではない。2010・11年、賞金女王のタイトルを連続で獲得した際のコーチ、ソン・ギョンソさんから指導を受けていた。「ここ2年間は、コーチがとても忙しくて、あまり見てもらうことができなかった。でも、今年は、不安なことが多い。私は臆病だから、やはりコーチから頻繁にアドバイスや指導を受けた方がいいと感じた。日本にいても、電話やメールで連絡をとっている」。

 超一流になればなるほど、アスリートは臆病になる。だから、見えない所で努力を重ねていく。その領域に達しつつある証明か。

 「4、5メートルのパッティングに、ようやく自信をもてるようになりました。たとえ結果は入らなくても、自信をもってストロークできるようになったことが大きいです。今日はその距離が入って、また自信が出てきました」。狙うは完全優勝か。


 シルバーコレクター返上を目指す酒井美紀が、「今週は思いっきり攻める」と宣言した。

 今季のツアーは、今大会が17戦目。プロとはいえ、そろそろ疲れが出る頃だ。酒井は、開幕戦から全試合へ出場中。開幕戦こそ予選落ちに終わったが、2度の2位などベスト5フィニッシュが4回もある。賞金ランクも10位とトッププロの仲間入りを果たした。

 「前半は勢いがあってよかったけど、最近はあんまり調子がよくない」。やはり、プロは勝利が特効薬となる。加えて、酒井はデビュー以来、ツアー未勝利だけに、そろそろチャンスをつかみたいところだろう。そこで自身の昨シーズンを振り返った。「去年、この大会は予選落ち。今年と同じように連戦の疲れが出てきたことを覚えています」。

 同じ轍を踏まないのがプロフェッショナルというもの。それだけに、「今週は練習を控えるようにしています。4日間競技なのでなおさらでしょう」。体力温存のため、省エネプレーを心がける一方、ワイルドにスイングすることでスコアアップを目指している。「このコースはフェアウェイが広い。また、今年はラフが短いように感じます。だから、元気いっぱい、ドライバーを振りました。おかげで飛距離も出たし、第2打が楽に打てたのがよかったですね」。もちろん、パッティングも好調だ。


 服部真夕が、4アンダーと好スタートを切った。今大会"記録にも、記憶に残る"といえば、やはりこの人だろう。2012年の第1回大会、最終日、最終ホールで7メートルのイーグルパットを決め、大逆転優勝を飾っている。

 この一打は、同年のLPGAアワードでメディア賞『ベストショット部門』に輝いた。ところが、それ以降は優勝から遠ざかっている。相性の良いコースで、2年ぶりのツアーVへ向け、虎視眈々。

 「イメージは出ています。ここはストレスがかからないから…」と笑顔を見せた。でも、いつもの美声とはまるで違う。「車の中で歌いすぎたから」と冗談交じりに話したが、前週の試合後、突然、声が出なくなったのだという。「風邪をひいたわけじゃない。アレルギーの症状もない。声だけが、ハスキーになってしまいました。声変わりをしたとか言われます(笑)」。

 ショットはこの日も惚れ惚れするほどだ。グリーンを外したのは、わずかに12番の1ホールのみ。今季のパーオン率ナンバーワンのデータが示す通りだ。しかし、リカバリー率は95位と、規定ラウンドに達している選手の中で最下位。つまり、アプローチの悩みを抱えている。このあたりが、優勝から遠ざかっている要因だろう。

 「だけど、パッティングがいい感じです。1番の12メートルや11番の7メートルが入った。このコースのグリーンは合っていると思います」と力を込めた。


 声をかけるとスッと直立不動になった。唇には軽くほほ笑みを浮かべた。「ニチレイレディスの最終日に爆発しました。調子が良くてもなかなかスコアにならなかったから、良かったです」。前週の試合で9位タイと今季のベストフィニッシュを決めた福田裕子は、勢いに乗って今大会へ乗り込んだ。

 2シーズン連続で賞金シードを獲得しているが、ツアーの優勝経験はない。「勝ちたいです。最終戦のリコーカップへも行けるようになりたい」というのが、今季の目標だ。とはいえ、こんな悩みを口にする。

 「20代と比べ、一晩寝ても疲れがとれなくなりました」。さらには、「今、女子ゴルフは、私とひと回りは年が離れた、若い選手が増えてきた。経験値は私でも、若い選手には勢いがありますから…」と、控えめだ。ちなみに、優勝へのキーワードは、忍耐だという。

 「今年はラウンド中、我慢ができるようになったと思います。明日からは、きっとバーディー合戦になるでしょうね。私も置いていかれないようにしないといけない。でも、ゴルフは一度のミスで流れが変わる。そこを注意します」と、自身へ言い聞かせるように締めくくった。


大山 志保 (3位タイ:-4)
「パッティングは、2週前ぐらいから比較すると、すごく良くなった。ショットはアプローチなども含めて不安はありません。ドライバーの飛距離も出ているし、とりあえずはこれで良し、としましょう」。

大江 香織 (3位タイ:-4)
「アウトは得意。ラフが短いし、距離が短いのでうまくプレーができました。でも、全体の調子はあまりいいとはいえません。ただ、ここはグリーンが広いので、ショットがちょっと曲がっても神経質にならなくていい。そこはラッキーだと思います」。

全 美貞 (3位タイ:-4)
「手に故障を抱えているので、無理にバーディーを狙いに行かなかった。そんな状況でも、いいプレーができたと思います」。

テレサ・ルー (3位タイ:-4)
「先週の全米女子オープンでは、2日間でバーディーがひとつだけ。ストレスがたまりました。でも、その悔しさが集中力に変わりました。おかげで、ロングパットが2つ決まった」。

茂木 宏美 (11位タイ:-3)
「復帰第一戦は、自分のいろいろな所をチェックできたので、とても収穫がありました。90点のラウンドです。スタートホールのティーショットを打って、ホッとしたら以前、試合に出ている感覚が少しずつ戻ってきました」。

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