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2014.6.27

アース・モンダミンカップ 2日目

だから、ゴルフは奥が深い
ホールインワンを達成し、トップを守ったアンソンジュの幸運と憂鬱

 2014年度LPGAツアー第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)の2日目が、千葉県袖ケ浦市のカメリアヒルズカントリークラブ(6,516ヤード/パー72)で開催された。

 首位スタートのアンソンジュ(韓国)が、4番でホールインワンを達成するなどこの日もスコアを伸ばし、通算9アンダーで単独首位をキープ。2打差の通算7アンダー、2位タイに藤田幸希、原江里菜、テレサ・ルー(台湾)が並んで決勝ラウンドを迎える。通算6アンダーの5位タイグループには、木戸愛、三塚優子、北田瑠衣など8人が続く。ディフェンディングチャンピオンの堀奈津佳は通算1アンダーの54位タイ。(天候:曇り、気温:25.7℃、風速:4.7メートル)


 今シーズン、4日間大会で3戦2勝と無類の強さを発揮しているアンソンジュ。まるで"指定席"とでも言いたげに、この日もスタートの1番でバーディーを決めた。極め付きは4番(パー3)。6Iのショットは、カップへ吸い込まれる。ところが、その瞬間をアンは見ていない。「いいショットだとは思ったけど、ティーを拾うために下を向いていた」。昨年の今大会でも3日目の9番、同じ6番アイアンでホールインワンを決めている。2年連続で、スコアカードには『1』という数字が書き込まれた。

 今季のツアーでは8回目。達成者は、決まって、信じられないような表情を浮かべる。2013年は計16人、2012年は計15人が達成。例年、ほぼ同数で推移しているのは、何とも不思議である。ちなみに確率からすると、アマチュアでは11,750ラウンドで1回、女子プロは1,175ラウンドで1回となるという。タイガー・ウッズは6歳の時、最初のホールインワンを経験した。

 アンは、これまでのキャリアでは、試合で2回を含む、計9回のホールインワン経験者となるが、そちらよりも、ツアー4勝目が気がかりでならない。「スタート前から、体が重く感じた。1番でのティーショットは、自分の飛距離が出ていない」と振り返った。それでもバーディー発進するところがすごい。

 ただ、悩みはつきなかった。続く2、3番でもバーディーチャンスにつけたが、今度はパッティングがショートしてしまう。ぶっちぎりの独走をギャラリーは予想したはずだが、ホールインワンの直後の5番でボギーを叩いた。「どうしてだろう。ずっと考えながらのラウンドでした。原因がわかったのは、バーディーだった15番。自分のクセでパッティングの時に、頭が動いてしまう。それに気を付けたら、フィーリングがいっぺんに良くなりました」。

 はた目にはわからない選手の葛藤。いいことばかりがあったわけではない。とはいえ、ホールアウト後のアンは、晴れ晴れとした表情だった。「3日目は天気が崩れると聞きました。その分、グリーンはボールが止まりやすくなりそうだけど、スコアが伸びるかは神様だけしかわからない。目の前の一打に集中していれば、チャンスは来るでしょう」と話し、パッティンググリーンへ直行。修正したフォームでは、頭は少しも動かない。困難に遭えば遭うほど強くなる。アンのパワーは、たゆまない努力の賜物だった。


 ピンチを未然に察知するのもプロの能力。この日のラウンド中、藤田幸希は、コース内すべてのトイレに「お世話になった」と話した。

 ラウンド前から脚に少しだけ違和感が…。「脚がつりそうな感じ。だから、こういう時は水分補給が一番です」。必死に水分摂取につとめていたためだ。そうはいっても、集中力が途切れることはなかった。

 「アイアンショットの距離感がいい。おかげでバーディーチャンスを数多くつくることができました」。スコアが良かったせいだけではないだろう。何やら、プレーする姿が生き生きとして映る。左脇腹の腹斜筋部分断裂から解放されたからだ。

 4月のスタジオアリス女子オープン初日、9ホールを終えたところで棄権。「左の脇腹が痛くなって…」。大事をとったのが良かったのか、痛みは治まったが、2週後のフジサンケイレディスで再発。2日目のラウンド中、激痛が走って、クラブを振ることができなくなり、またもや棄権の憂き目に。精密検査を行い、左脇腹の筋肉が切れていることがわかった。

 「一ヶ月間、試合はもちろん、クラブを握ることも絶対にダメだ、といわれました。でも、お医者さんには、『すごい筋肉をしている』とほめられた。複雑な気持ちでしたね」と振り返った。プロ野球選手などが見舞われる肉離れ。ただ、「私の体はそんなにヤワじゃない、と思っていたけど、寝返りができないほどの痛みは本当につらかった」と振り返っている。

 昨シーズンは左ひじに水が溜まるなど、さまざまな故障歴がある藤田。「30歳に近づくと、若いころのようなわけにはいかない。体がカタい。だからケガが多いのかもしれません。お医者さんからは、まずはストレッチと言われました。脇腹を痛めて休んでいるときから、やることがないから、ストレッチばかりをしています。今日のラウンド中も、空いた時間はストレッチをずっと続けてました」。

 自分の体へ意識を向ければ、故障のシグナルがわかる。ちなみに、シーズンオフから7キロものダイエットにも成功。やっぱりプロは体が資本だ。「ここ2年、賞金シードをとることに苦しんだ。それを思えば、故障の痛みの方が楽ですね」とも付け加えている。


原 江里菜 (2位タイ:-7)
「ショットが悪い分、パッティングに助けられた。特にロングパットが決まってくれました。先週までは、体は疲れていないのに、心が疲れていたのか、バーディーを取っても喜びが沸き上がってこない。それで、今週はあまり練習をしないで、休むことにしました。おかげで集中力が高まった感じがします」。

テレサ・ルー (2位タイ:-7)
「後半、スコアがもう少し伸ばせる手応えがあった。でも、アプローチがいまひとつで悔しい。せっかくティーショットが良くても思うようにいかなかった。だけど、17番でバーディーをとることができたので、これを3日目のプレーにつなげたい」。

木戸 愛 (5位タイ:-6)
「今日は耐えるゴルフ。3つのバーディーは、そのご褒美でした。先週までと変わったのは、ショートパットの練習を質はもちろん、かなりの時間を費やしました。それから、ポジティブに考えるよう、普段の生活から心がけています。やっぱり、スマイルです」。

三塚 優子 (5位タイ:-6)
「振り返ってみると、全体的には、まとまっていた感じ。欲をいえば、ショットにキレがほしい。それが私の持ち味。とにかく、勝つことだけを考えています」。

北田 瑠衣 (5位タイ:-6)
「予選通過は一ヶ月ぶりぐらい。その間は、パープレーで回れなかった。ショットが不調でした。先週、思い切ってグリップやアドレスを替えてみました。まだフィーリングはしっくりきませんが、今日はバーディーがたくさんとれた。とりあえず、3日目も今日のようなプレーができなければ、良くなったとはいえないです」。

下川 めぐみ (5位タイ:-6)
「スコアは今日の方が良かったけど、疲れがあるのか飛距離が出ない。インは耐えて、アウトでスコアを伸ばせればと作戦を立てていたので、うまくかみ合ってくれた感じです」。

茂木 宏美 (43位タイ:-2)
「4日間プレーすることが目標でした。それを達成できて、(復帰戦の)第1段階は合格点です。決勝ラウンドでは、パッティングのラインをしっかり読んで、はやく試合勘を取り戻したい」。

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