2020.5.3
感謝の30周年~ステップ・アップ・ツアー①
今年、ステップ・アップ・ツアーは創設30周年。91年、JLPGAツアーへ出場資格をもたない選手および新人を対象に2試合、試合経験を積ませることによる育成・レベルアップを目的に年間2試合からスタートしました。現在は新型コロナウイルス感染症対策で、緊急事態宣言。現在のゴールデンウイークは、ステイホーム週間がクローズアップされています。
それだけに、JLPGAツアーだけではなく、ステップ・アップ・ツアーの長い歴史を振り返ってみることも、今だからこそ-の使命。文字通り、ツアー出場をきっかけに、ステップアップした選手に電話取材を行いました。
歴史が動くとはちょっとオーバーな表現かもしれません。しかし、今日のツアー隆盛の転機となったのは、JLPGA会長・小林浩美が13年から着手したツアー強化でした。「世界に勝つ」というスローガンを掲げ、さまざまな強化策を実践。ステップ・アップ・ツアーも17年から、女子プロゴルフのための世界総合ランキング「ロレックス・ランキング」の対象の認可を受けました。
昨年、全英AIG女子オープンで日本人選手2人目の快挙を達成した渋野日向子は、プロ1年目、ステップ未勝利ながら18年563位からスタート。19年はファイナルQTランキング40位の資格でJLPGAツアー出場権を得て、前代未聞の快進撃を続けます。ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップでツアー初Vを飾り、ロレックス・ランキングで97位へ躍進。さらに通算2勝目の資生堂 アネッサレディスオープンで、50位になりました。その後、全英の活躍などで現在12位。世界に勝つ-のツアー強化が結実したのです。
さて、ツアー強化を本格化させた13年へ話を戻しましょう。このシーズン、ステップは3試合増の10試合を開催。プロ1年目の鈴木愛は、中国新聞ちゅーピーレディスカップでステップ初優勝。14年にはステップ開幕戦のラシンク・ニンジニア/RKBレディースを制し、ステップ2勝目をあげ、JLPGAツアーでは日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯を20歳128日という大会最年少優勝を更新しました。
鈴木を含め、13年にステップVを飾った選手4人(他では西山ゆかり、香妻琴乃、葭葉ルミ)が、翌年のJLPGAツアーで大活躍。14年賞金シードを獲得し、それ以降JLPGAツアー優勝を果たしています。
=つづく
取材、データ構成=メディア管理部・中山 亜子、鈴木 孝之、宮崎 善秀