2020.6.3
上田桃子 - 遊び心を新発見
5日、開幕予定のヨネックスレディスゴルフトーナメントが、新型コロナウイルス感染症のため開催中止。前年優勝の上田桃子が3日、リモート会見を行った。
会見に先立ち、今季の開幕戦が25日からアース・モンダミンカップ(千葉・カメリアヒルズカントリークラブ)で行うことを発表されている。「無観客の試合は、これまで別の状況で2度の経験がある。でも、今回は事情が違います。うれしい。でも、率直にいうと、さみしい。それが大きいと思う。どういうマインドでプレーをするのがベストか、これから考える」と、少し戸惑い気味に感想を語った。
というのは、「たくさんの方の声援、現場の一体感が大切だということを熟知している。誰もが、絶対に入らないと思うようなことが、声援や独特の雰囲気で、奇跡的なプレーが生むものだから…。どうなるのでしょうか」と本音が飛び出す。
なるほど、昨年の今大会も同様だった。大会第1日、スタートホールでOBを叩いて、トリプルボギーのビハインドをはねのけて優勝を飾っている。「スタートでOBは初めての経験。すごく印象に残る経験でした」とも。なるほど、プレーを見守る大ギャラリーの声援を受け、ジワリジワリと盛り返して、最終日には65と素晴らしいプレーの数々を披露した。ホールアウトすれば、何と2位に6打差をつける圧勝。闘争心のたまものだろう。
今、オフの仕上がりは順調だった。きっちりと3月第1週の開幕へ照準をあわせている。ところが、予期しなかった新型コロナウイルス感染症で計画に狂いが生じてしまう。「3月の終わりから、地元の熊本で調整を続けている。ただ、通常のシーズンと比べるとやはりコロナの影響で練習時間は少ない。元々、私はギュッと練習をすることが多いです。だけど、こんな状況ですから。これほど、家にいるのは高校生以来。試合があることが日常でした。最初は、少し戸惑いがあったけど、不思議ですね。在宅が日常のように思えてきた」そうだ。
ただし、ライフスタイルの転換で、新たな自身を発見。「最近はラウンドを週1、2回。練習量がそれほど多くない割に、調子は悪くない」という。さらに、「与えられた状況で、やれるような思考になれたのかなぁと思う。遊び心があってもいい。そんなふうに考えている。在宅期間、あまり読むことがなかった漫画を少々。スラムダンクを読みました。読みながら、遊び心がプレーへ結びつくのでは-とも考えている」。
それだけに、シーズン開幕が待ち遠しい。「スタートダッシュを大切にしたい」とほほ笑む。生活だけではなく、ゴルフのニュースタイルまでを模索。21年まで続く長いシーズンで、主役のひとりとなることは間違いない。
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