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2014.11.23

大王製紙エリエールレディスオープン 最終日

大会史上に残る大混戦を制したのは、横峯さくら
史上2人目の10億円突破、今シーズン初Vで2014年を締めくくる
アンソンジュ、3度目の賞金女王に輝く

 2014年度LPGAツアー第36戦『大王製紙エリエールレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)の最終日が11月23日、香川県三豊市のエリエールゴルフクラブ(6,428ヤード/パー72)で行われた。

2位から出た横峯さくらが4バーディー・ノーボギーの68で回り、通算18アンダーで今季初優勝を飾った。1打差の2位タイに森田理香子、テレサ・ルー(台湾)、鈴木愛。注目の賞金女王争いは、アンソンジュ(韓国)が通算14アンダー、8位タイに入り、通算3度目のタイトルが確定した。
(天候:晴れ、気温:18.3℃、風速:0.5メートル)

 今シーズン、指折りの大混戦で、主役をつとめたのは横峯さくら。不動裕理に続いて、史上2人目となる生涯獲得賞金、10億円突破を今季初優勝で飾った。ここまで積み上げた試合数が305。達成時の年齢は不動の31歳273日よりもはやい、28歳345日だ。「数字は今まで頑張ってきた証。素直にうれしいです」といいながら、「もし、ここに10億円がボ-ンと置かれていたら、きっとものすごく驚くと思います」と振り返った。流れをつかんだのは、8メートルを沈めた15番のバーディー。「鈴木選手、酒井選手が私の内側につけていたので、絶対にバーディーパットを入れてくる、と思った。その時の私は、とにかくショートだけはしないように、を心掛けました」と話した。続く16番でも連続バーディー奪取に成功。首位に立った。結果だけをみれば、勝ち方を知っている-となるだろうが、やはり前週までの304試合での経験が生きる。外せば、プレーオフとなるウイニングパットも、「気をつけたのはヘッドアップだけでした」。

 最終日のスタート直前。「夕べ、緊張して眠れなかった。でも、フワッとした形で入りたくない。ハラをくくってプレーする」と雑念が霧散したという。それだけに、「1番ホールから自分へプレッシャーをかけていった」。緊張感を味方に、チャンスが訪れるのを待つ。同組で優勝争いを繰り広げた鈴木と酒井は、今季ツアー初優勝を経験した、若さと勢いが武器だ。「私が戦ったのはコースとスコア。2人の印象ですか? とても若い。そういう目でプレーを見ていた。自分の経験からいっても、若い時は、ピンしか見えていないというイメージがある。それにしても、度胸があるって感じましたね」。勝者と敗者との差は紙一重といわれる。確かに、ゴルフは精神力のスポーツと評されるが、「私は、メンタルが強くない。でも、きょうの優勝は、1番からプレッシャーをかけ続けてきたから、18番の最後のパッティングも決まったと思います」。

 今年は結婚など、おめでたいことばかりが。そうはいっても、本業のゴルフでは、前週まで未勝利だった。「結婚してから成績が上がらない。落ちたとか、そんな話が少なからず耳に届いて、いい気持ちはしなかった。だけど、きょうの優勝で安心ができましたね」と飛び切りの笑顔をつくっている。次のターゲットは来季の米ツアー出場権を得るための予選会。「すべてはそれが終わってからです」と結び、かわいてしまった唇にリップクリームを-。これも激戦の証明だった。

 涙の数だけ、喜びも大きい。アンソンジュが3度目の賞金女王に輝いた。そして、初受賞となる『LPGA Mercedes-Benz Player of the Year』も確定。ここまで5勝をあげてシーズンを通して圧倒的な強さをアピールした。しかし、ここまでのプロセスは、苦しみの連続だという。「マスターズGCレディースの後、きつくて、きつくて毎日、泣いていました。右手首の痛みで練習をしたくてもできない不安。それから、賞金女王へのプレッシャーがさらに大きくなったから…」。過去2回のタイトル獲得と比較しても、「今年が一番つらいと感じました」。

 今大会でも、3日目を終了して優勝候補の1人だったが、この日も好調とはいえない。しかし、タイトルまでかかるラウンドはきっちりと決めたい。「絶対にオーバーパーだけにはしたくない。いろいろなプレッシャーってあるものですね」と苦笑した。ただ、ホッとするわけにはいかない。まだツアー最終戦『LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ』が残っている。「とりあえず、今夜はリラックスしましょう。今まで、賞金女王を3回獲ったら引退してもいいと思ったけど、もうひとつの目標の、ツアー20勝を果たしていないから…。最後まで頑張らないと賞金女王のタイトルに申し訳ありませんね」。2014年、最後の闘志をかきたてた。

テレサ・ルー (2位タイ:-17) 1イーグルを含む65で最終日ベストスコアタイをマーク
「悔しいという面もあります。今日は良いスコアだし、良いゴルフもできたから。アイアンがもうちょっとだったけど、パットが今日はイメージ通りにできていた。でも、今日は自分でもベストのゴルフができた。2位タイには満足しています」。

森田 理香子 (2位タイ:-17) 追い上げるも逆転での連覇達成ならず
「今週はパッティングがよく入ってくれたのでスコアにつながりました。(優勝を狙うには)結構離れていたし、自分が伸ばさないといけないのはわかっていました。最後のほうでチャンスをモノにできなかったのがもったいなかったです」。

鈴木 愛 (2位タイ:-17) 思い入れのあるコースで優勝できず悔しさをにじませた
「勝てる場面は何度もあったけど、ショートアイアンでピタリとつけることができなかったです。それでも、ボギーを叩いても笑顔でまわれたので良かったです。今年は2位だったので、来年は優勝できるように頑張りたいです」。

原 江里菜 (5位タイ:-15)
「シーズン終盤で疲れが出たのか、なかなかテンションが上がらない。上位がスコアを伸ばしていなかったから、私にも優勝のチャンスがありそうだったけど…。まぁ、そういう状況で一生懸命にプレーしました」。

北田 瑠衣 (5位タイ:-15)
「優勝のチャンスもあったけど、ちょっと残念でした。でも、私の今年の最後の試合の最終日を、ノーボギーで終わることができました。その点は良かったと思います」。

イ ボミ (15位タイ:-11) 逆転賞金女王ならずも満足のシーズンとなった
「疲れましたが、この状況(賞金女王争い)でプレーできるのは私だけですので、楽しくやれました。今年は、頑張ったから100%満足です。賞金女王になるのは難しかったですね。来週は全て忘れて頑張ります」。


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