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2020.10.10

第2日は競技中止 ー 笹生優花、逆転V視野に

 10月10日に開催予定の、JLPGAツアー2020-21年第8戦『スタンレーレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)第2日は、台風の影響によるコースコンディション不良および天候の回復が見込めないため、午前7時、競技中止となった。
 大会最終日は、あす午前8時スタート予定。規定により第1日の成績で5オーバー、60位タイまでの71人が最終ラウンドに進出する。競技は36ホールに短縮され、賞金配分、加算額は75パーセントになる。

 19歳のJLPGAツアールーキーにして今季2勝を挙げ、賞金ランキングのトップを走っている笹生優花は、台風14号の接近による大会第2日中止にも「昨日から、そういう可能性があると聞いていましたから」と冷静に受け止めた。最終日はトップに3打差の3オーバー、31位タイから逆転Vを狙う。

 前日の大会第1日は強風、雨、寒さの三重苦で、誰もがスコアメークに苦しみ、弱音を吐く選手も多かった。しかし、11歳の頃から母親の母国フィリピンを拠点に16か国の大会を巡り腕を磨いた笹生は、「ああいう経験は過去にもありました」とどこ吹く風。

 「日本には四季があって、急に暑くなったり、寒くなったりするので準備が難しい」と言いながらも、「他の国にはなかなか無い、貼るタイプや、すごく熱くなるカイロがあって便利です」と笑う。順応力は抜群だ。

 前日は2017、19年賞金女王の鈴木愛とプロ転向後では初めて同組で回った。鈴木は6オーバー、72位タイでホールアウト後、体調不良のため棄権したが、その立ち居振る舞いに感銘を受けたと言う。「8月のニトリレディスでご一緒させていただいた李知姫さん(JLPGAツアー通算23勝)もそうでしたが、実績のある選手と回ると、勉強になります」と頬を紅潮させる。

 「昨日の鈴木さんは、ラウンド途中に棄権する選択肢もあったと思うのですが、常に前を向きながら18ホールを全うされた。ゴルファーって、調子のいい時より悪い時の方が長いと思うので、悪い時にどう振舞うかで選手としての価値が変わってくると思うのです」と語った。笹生自身、19歳とは思えないほどゴルフ観が成熟している。

 第2日中止で大会は計36ホールの短期決戦となり、残り18ホールに逆転を賭ける。「他の人のスコアをコントロールすることはできないので、いつも通り、自分がゴルフを楽しめればいいと思います」。マイペースは揺るがないが、周囲はいやおうなくビッグスコアへの期待を高める。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

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