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2020.11.6

渋野日向子 71は吉兆のサイン

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

TOTOジャパンクラシック 太平洋クラブ 美野里コース(茨城県)第1日

 スランプ脱出への手応えを感じる。渋野日向子の18番、5メートルのパーセーブはウイニングパットにも勝るような強い精神が宿っていた。-1か、それとも0で終わるか-。「下りのフックラインが入った。ナイスパーです。最後ということもあって、第1打をちょっと力んで強めにひっかけ、ボールが左へ流されてキックも悪かった」という。しかし、あきらめない。最善をつくした。まさに、開幕前から繰り返し語った「内容重視のラウンド」だ。

 第1日は71。今季初のアンダーパーをマークした。「今の状況を考えれば、この結果に喜んでいいのかもしれない。でも、要所、要所で後悔するようなミスがあった。悔しさが勝ったと思います。1メートルのパッティングを2回。1.5メートルを1回、外していますからね」と反省の言葉を忘れてはいない。この日の内容は、5バーディー、1ダブルボギー、2ボギー。特に前半は出入りが激しい。4番はバンカーへ打ちこみ、ボールが埋まりアンプレヤブルを宣言するピンチにも直面している。ダブルボギーにしたものの、負のスパイラルへ陥るようなことはなかった。

 18ホールのプレーは、約4時間20分。同組の畑岡奈紗とは、「炊飯器の話題になった」とか。ただし、周囲とおしゃべりをするよりも、自己との対話を繰り返した。いったい、何を考えているだろう。「そうですね」と、口を開いた後、即答が当然の渋野が珍しく沈思黙考。「ボーッとしている時間が一番多いかな。たとえば、きょうの私は2メートル以内のパーパットが残った時、(グリップが)ゆるまない・インに引く・おなかに力を入れる、という3つを言い聞かせた」と振り返っている。

 昨年はすべてが自然体で世界の頂点へのぼりつめた。それも現実だが、不調から這い上がろうとする今も、さらなる高みを目指すために避けては通れないことなのだ。とはいえ、「1ホール、ワンショットに対して、考えることが増えている。5メートルのパッティングが決まった。久しぶりです。なかなか珍しい光景。自分のゴルフを狭くしていたのかもしれない。もっと視野を広げます。最後のパッティングはしびれた。先週はパッティングがマイナス100点だったけど、今回は0点へ戻ったと思います」と着実に上昇傾向にある。

 1ストロークの価値をかみしめた。あすは、もっと良いことがある。

(メディア管理部・中山 亜子)

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