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2021.4.1

虎視眈々と 上田桃子は4アンダー発進

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ヤマハレディースオープン葛城 葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)第1日

 いよいよベテランの逆襲が-。上田桃子が6バーディー、2ボギーの68をマークした。所属フリーから3月30日、ファッション通販サイトを運営する「ZOZO」との契約を発表したばかりである。ファン、そしてスポンサーの期待に応えることは、プロフェッショナルの大事な仕事だ。「出だしでズッコケたら私もイヤ。スポンサーへも申し訳ない。緊張していました。でも、バーディー先行でほぐれた」という。

 インスタートのこの日。パー3の11番、50度で左3メートルにつけ、最初のバーディーを奪う。勢いに乗って、続く12番も右横から4メートルを沈め、連続バーディーはお見事というしかない。前半、4バーディー、ノーボギーと素晴らしいプレーを展開。

 しかし、勝負は何が起こるかわからない。6番の第2打は、バンカーから。よもやのミスショットだった。隣接する12番から、同じタイミングで打球音が響いた。「タイミングが、ばっちり合い過ぎた。びっくりして…」。バンカーのアゴにボールが当たった。無観客で、「ギャラリーがいない分しーんとしていた」。想定外のハプニングにより気持ちを集中させたという。

 一方、同じ辻村明志コーチに師事する、小祝さくらも好スタート。干支が同じ寅年で、ひと回り違う。小祝は常々、上田を「尊敬している」と話しているが、「全然、そんな素振りは見せていませんよ」と、苦笑しながら、「(小祝は)天然キャラでみんなを笑わせてくれる。そういうキャラクターと、ゴルフへ向かう姿勢、情熱とのギャップが魅力ですね」と独特な観察眼で言い表す。

 まだ、第1日が終わったばかりだが、「調子が良さそうだし、総合点が高い選手が上位にくる」。当然、優勝を争うライバルの1人として加えたのだろう。自身は19年ヨネックスレディス以来、優勝から遠ざかっている。寅年の女性は、虎視眈々と最終日を見据えた。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

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