2021.4.2
桜へ託したVの希望 上田桃子-15番の◎
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ヤマハレディースオープン葛城 葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)第2日
桃に桜が映える。上田桃子が首位から4打差の通算5アンダーで、予選ラウンドを終えた。一進一退の第2日。それだけに、スコアボードで15番の◎が光る。今年、2つ目のイーグル奪取に表情がほころぶ。
パー5のこのホール、残り240ヤードの第2打で果敢に3Wを選択。2オンへ成功し、ピン左横から6メートルのイーグルパットを、鮮やかに決めた。「うれしいというよりも、ホッとした。ずっと我慢、我慢できていたし、やっとごほうびがいただけたような…」と、ホッとひと息ついて、ここまでの過程を説明する。
「2番で、とてもいいバーディーが決まった。すごく気分がいい。でも、こういう時は、調子に乗ってはいけない。続く、パー5の3番では2オンを狙わずに、レイアップを選択したにもかかわらず、ボギーを叩いた。そこから流れが悪くなってしまって」
「きのうと比較して、風が強く、グリーンが締まってきた。本来の葛城の顔をのぞかせてきたんです。ただ、前半で、我慢をしながらでも、もうひとつバーディーが欲しい。ちょっと欲が出た分、9、10番で連続のボギーをくらった。もう一度、忍耐の2文字を刻み直したわけです」
とまぁ、苦悩の18ホールを丁寧に語ってくれた。それだけに、アンダーパーのラウンドは、残り2日間へさらなるチャレンジャー精神をかきたてる。ふと、目をやると、ウェアには桜の花びらがあしらわれていた。
「春が来ると、誰でも新しい気持ちになるもの。さぁ、行くぞという全身からメッセージが伝わってきます。本当は、このウェア、ダイキンオーキッドで着用するつもりでしたけど、ここまでとっておきました。(今年活躍している)小祝さくらさんにあやかろうという気持ちが半分ある。残りは、私のお気に入りだから、桜がとても美しい葛城で」と、心境を話してくれた。
あすはムービングデー。「最終日は、後半から雨の予報です。第3日は、欲を出さずにスコアをつくることをテーマにしましょう」と締めた。自然体で難コースへ挑む。豊富な経験が、きっと生きてくる。
(メディア管理部・中山 亜子)
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