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2021.5.9

賢者のゴルフで西村優菜 公式競技初V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン公式競技『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』大会最終日が5月9日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部 東コース(6,630ヤード/パー72)で行われ、西村優菜が通算14アンダーで逆転優勝。首位から3打差のスタートから6バーディー、1ボギーの67をマークした。公式競技は初制覇。JLPGA通算2勝目を飾った。3打差の2位タイは通算11アンダーの大里桃子、稲見萌寧、臼井麗香。
(天候:晴れ 気温:26.6℃ 風速:南2.5m/s)

 公式競技最終日、最終組3回目のトライ。そして3度目の正直を達成した。西村優菜が威風堂々、圧倒的な強さをアピールし逆転優勝。通算14アンダーはトーナメントレコードを更新するものだ。2000年生まれの選手が初めて、公式競技を制した。

 ポイントはアウトが忍耐。インで攻撃をプラン通りに実践できたことだ。「後半へ入る前、1ストロークのビハインド。少しだけ優勝を意識した。エンジンがかかったと思います。でも、コースが難しい。順位よりも、どう攻略するかを考え、最後までマネジメントに終始できたことが平常心を保てた要因です」。

 ターニングポイントとなったひとつはバウンスバックに成功した7番。6番でボギーを叩いた直後、ピン横5メートルのバーディーが決まった。また12、13番の連続バーディーで首位に並びかけ、そしてアドバンテージを握る。パー3の17番、ピン左5メートルからバーディー奪取で優勝をグイっと引き寄せた。

 「苦しかったことは特別なかったです。4日間、すべて60台のスコアでプレーすることができたことがうれしい。自信になりました」と話している。それはそうだろう。練習を行った週初めの3日間の印象は、「とにかく、アウトの距離が長い。練習ラウンドでは飛距離が出ないと苦しいと感じた。ウッドを握る機会がたくさんありそう。でも、パッティングのフィーリングがとても良かった」と振り返る。

 キャディーバッグには6本のウッドを入れるセッティング。練習ラウンドで収集したキャリーとランのデータを自身で解析しながら、じっくりと攻略方法を練りに練り上げた。「飛距離がそれほどなくても、上位で戦える」と決断。賢者のゴルフでパワーに勝る選手へ挑戦した。

 「どうしても、第2打、第3打で160-170ヤードの距離が残る。飛ぶ選手はアイアンで対応できる。ハンディーとは考えず、私にはショートウッドがある。アイアンと同じようにボールを打ち分けることができる自信があった」。アナリストとしてもお見事である。一方で、プレーを支えたのはオフの間、しっかりとショートゲームへ磨きをかけたことだろう。今大会は、チップインが3回。グリーンまわりからでも、ボールを寄せるだけにとどまらず、バーディーを狙っていく精度を養った。

 「ノーマルなアプローチをしっかり打てるところから、とにかくボールを打つ量をこなした。また、パッティングでは目線を合わせる練習に時間をつかったと思う。おかげで、ブレが本当にすくなくなった」という。プロ2年目、大躍進の原動力はやはり練習の賜物だ。

 この日は、母の日だった。「私のために、やりたいこともたくさんあったと思うけど、いろいろなことを支えてくれました。結果で恩返しすることができたことがうれしい。本当にありがとうございます」と感謝のメッセージを口にすると、自然に涙が頬を伝う。ツアー新時代にふさわしいニューヒロインの誕生だ。

                     (メディア管理部・中山 亜子)

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