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2021.6.27

うまいより、強い 菊地絵理香-決意の完全V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2020-21シーズン第31戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額3億円・優勝賞金5,400万円)最終日が27日、千葉県袖ケ浦市・カメリアヒルズカントリークラブ(6,639ヤード/パー72)で行われ、菊地絵理香がパーフェクト優勝を達成した。通算20アンダー。しかもノーボギーの独走劇は、新しいスタイルの幕開けだ。17年以来のJLPGAツアー通算4勝目。生涯獲得賞金も5億円を突破した。2打差の通算18アンダー、2位は西郷真央。
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《グリーン=スティンプ:12 1/4フィート コンパクション:24mm》

 付け入るスキを与えない。これが菊地絵理香のパーフェクトV。思い描いたスタイルが、大一番で実現した。通算20アンダーで4年ぶりの優勝を、「うまくいったなぁ。うまいより、強いといわれた方が選手はうれしい。この4年間の(優勝争いで)自滅するところを払しょくしたかった。強くなったと思ってもらいたい」。堂々と胸を張って答えている。

 今大会、前日にテーマを掲げ、ことごとく実現してみせた。第3日、ホールアウト後には、「早い段階でバーディーをとれば、逃げ切れる」と宣言。スタートホールの1番で、いきなりターニングポイントがやってくる。残り95ヤードの第2打を46度で、ピン左3.5メートルのバーディーチャンス。

 「私は下りのラインが得意。イメージ通りでした。ジャストタッチです。このバーディーが大きかった」という。有言実行。マイペースでプレーを続けて、チャンスで決める。11番では残り165ヤードの第2打を、ピン手前10センチというスーパーショットでギャラリーから喝さいを浴びた。17番、ピン左から10メートルのロングパットを沈めたシーンも、タメ息が漏れる。

 「4日間の試合で勝ちたい。今回は高額賞金のビッグトーナメント。私には無縁だと思ってきたけど、ようやく実現しました。確かに、第3日がキーポイントでしょう。でも、最終日、ノーボギーでプレーできたことは、これまでになかったものです。まだ、若い選手には負けない-という気持ちにはなりませんけど、少し自信が出てきた」と、心境の変化を伝えている。

 同時に、同組でプレーした西郷真央を、「きのうも同じ組でプレー。彼女のパッティングの素晴らしさは十分にわかっている。見た目にチャンスとは思えなくても、バーディーを入れてくる。また、西郷さんは苦しい時でも笑っていられることがすごい。私が19歳の時と比較すると、うーん…」と称えた。

 そして、再び、自身の内面を、「気が楽になったところなんて、きょうもありません。気は強いけど、大事なところで心がポキポキという、弱いところが出てしまう。きょうは、ここで変わらなければ-と強く言い聞かせてきた。もし負けたら、さらに(自滅の)イメージを与えてしまいます。5、6時間ぐらい、苦しいことを我慢すればいいことがある。実践できたことが本当にうれしい」。ひとことずつをかみしめながら、丁寧に語った。

 通算4勝はすべて逃げ切りの内容。4年前の優勝会見で、「次は逆転で」と予告したものの、「ずっと追われるのはつらいですよ」と微笑みながら、「逆転できる選手は格好いいと思う。でも、第1日にすごいスコアを出して逃げ切ることが、私かもしれませんね。ただ、どんなパターンでも、ツアーでは最後に必ず上位へ。そんな選手になります」。

 優勝会見は、試合同様に独演会だった。たくさんの苦い経験がドラマに。4日間、素晴らしいトークをありがとうございます。心からおめでとうと申し上げたい。次も待っています。

(メディア管理部・中山 亜子)

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