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2021.8.21

今年6度目のVへトライ 高橋彩香『気が楽』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

CAT Ladies2021 大箱根カントリークラブ(神奈川県)第2日

 気がつけば、今年6回目の最終日、最終組。高橋彩華は、「私も皆さんも、誰も期待していないでしょう。そう思えば、気が楽ですよ」。ムービングデーのこの日、ベストスコアタイの67をマークして、2位へ浮上した。

 強烈なインパクトを与えたのは8番だろう。残り110ヤードの第2打をPWで、あわやのシーンを演出。「惜しかった。カップの横をすっとなめてピンの裏、10センチです。インパクトの時から手応え十分でした」と振り返った。

 5バーディー、ノーボギーの内容。ショットメーカーの面目躍如といえるだろう。当然ながら再び、上昇の気配。「内容だけで判断すれば、確かにきょうはいいと思う。ただ、ショットは良くても、ロングパットの距離感が合っていなかった。下りのラインがとても速い。イメージよりもボールが転がる。3メートルオーバーなど結構あった。きょうは、うまくいっても、それほど、続くものではない」と、浮ついた様子などない。

 当然のように、会見が終わるとパッティンググリーンへ直行。さまざまな所から、10メートル前後の距離を入念に調整した。一方で足取りは軽やかだ。やはり、バーディーフィニッシュがそうさせているのだろう。

 「気持ちがまったく違う。バーディーで終わることは次へつながります」。ひとつ、うんと頷いた。あすは、同じ奥島誠昭コーチへ師事する稲見萌寧と、直接対決が待っている。

 「同じショットメーカーです。ピンを狙ってどこまで寄せるかでしょう。追う立場の方が気持ちは楽。最近、心と体のコントロールがうまくできるようになっている。というのも、何度が自滅ルートを通ってきたからでしょうね」と話した。

 ちなみに、今大会は黄金世代と相性がいい。それもツアー初優勝が続いているのだ。「そうですか。初めて知ったことです。だけど、私は黄金世代に見られていない。もっと年長と皆さんが思っているそうです」と打ち明ける。

 最終日、テレビやインターネット中継でたびたびクローズアップされているからだろうか。とはいえ、いつにもまして、自然体のスタンスが大仕事の予感を漂わせる。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

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