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2022.2.28

94期生・2022年の挑戦 佐藤心結

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

コロナ禍の難しい調整を克服。2021年11月、最終プロテストに合格した。狭き門を潜り抜けたエリートとはいえ、プロとして本格的なシーズンを迎える22年は、さらなる困難が待ち受ける。ただし、努力を重ねれば喜びも大きい。94期生、可能性は無限大である。大いなる志を胸に、ルーキーの挑戦がスタート。

さとう みゆ=2003年7月21日生まれ 神奈川県小田原市出身

高校を卒業し、弥生3月、晴れて社会人、そしてプロとしてのスタートを切る。22年開幕戦、ダイキンオーキッドレディスで早くも注目選手のひとりになった。「毎週、試合がある。夢のような感じです。去年までと生活のスタイルが一変するので、大変だなぁ-と思っていますけど、楽しみにもしている」。ワクワク、ドキドキする新社会人の心持ちをストレートに表現した。

ただし、ルーキーとはいうものの、甘えはゆるされない。トッププロが死闘を展開するサバイバルの世界では、成績がすべて。オフの調整も、頑張りすぎず-を目標にした。はやる心を抑えながら、仕上げは二人三脚で取り組んできた三觜喜一コーチと、合宿で確認済みである。

「開幕戦だから、緊張すると思う。だから、ここだけは去年のスタンレーレディス同様、キャディーをお願いしました。すごく心強い。励ましの言葉、ポジティブになれる言葉を状況に応じてかけてくださいます。シーズンは長いですから、気張らずに普段通りにのびのびとプレーできたらうれしい」と話した。

昨年のスタンレーレディス最終日、渋野日向子と激闘を演じ、無名のアマチュアながら一気に全国区の知名度を得た。残念ながら、2位に終わったものの、最終プロテスト→ファイナルQTをクリアして、JLPGAツアー今季前半戦の出場権を獲得。

「もっと勝負強くなりたい、という気持ちが増したと思う。ゴルフは相手というよりも、私との戦い。もっている力を信じてプレーするなど、メンタルは少し強くなったと信じている。実際、スタンレーの前は、まったく自信がなかった。それが、あの試合を境にして大きく変わったと思います」と、自身の変化を語った。

その上で、「試合へ出場するからには、優勝を目指して全力投球します。シーズンを通して目標は、やはりシード権獲得。ツアールーキーですから、難しいとは思いますけど挑戦します」と力を込めている。

物静かで、浮ついたところがないことも特性のひとつかもしれない。続いて、「仕事のゴルフはもちろんですけど、最も大切なことは体調管理です。そういった面では、少しだけ自信がある。高校在学の3年間、一度も体調を崩したことがありません。毎週、移動をしなければならない。これまで以上にしっかりと体調管理には気配りを忘れないようにします」と、地に足がついたコメントは頼もしい。

中学校では3年間、陸上部で砲丸投げに取り組んだ。「ひと目見たときに、これだ、というヒラメキがあった」という。一方で、「実際にやってみると、砲丸投げは下半身と上半身の捻転が必要なところ、トレーニングメニューだってゴルフに似ていることがわかった。おかげで、全身を使うことがうまくなったと思います」。平均飛距離250ヤードのアドバンテージは、すべてがつながっていた。世の中、ムダなことなどなにひとつなし。肝心なことは、経験を生かせるかにかかる。これも、能力-。逸材である。

(メディア管理部・中山 亜子)

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