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2022.4.14

いまひとたびの上田桃子 2週連続Vを熊本で

 JLPGAツアー2022シーズン第7戦『KKT杯バンテリンレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)が4月15日、熊本県・熊本空港カントリークラブ(6499ヤード/パー72)で開幕。14日は指定練習日。また、公式会見が行われた。

 コースを知ることは必要だ。しかし、熟知しすぎるとトーナメントでは時には諸刃の剣に変わることがある。ゴルフ王国・熊本出身の選手にとって今大会は特別。上田桃子は2週連続優勝までかかる大一番だ。

 「優勝してから、きのうまで本当に疲れていた。ボールが飛ばないです。だから、アプローチとパッティングの練習だけを行って、練習場へは行ってはいない。おかげで、きょうは元気になった。ソコソコの体調とでもいいましょうか…」。笑顔で不安を覆い隠した。

 2007年、前身のライフカードレディスでツアー初優勝。ジュニア時代から慣れ親しんだ熊本空港カントリークラブは、さながら原点ともいえる聖地でもあった。「最初にラウンドしたのは、小学5、6年です。中学は土、日曜日、ここでラウンドしたし、高校時代はコースでアルバイトをしていました。私を育ててくれた場所」と、感慨深い。

 当然ながら、すみからすみまで知り尽くしているのだ。ところが、6年前のこの日、予期もできない熊本地震に見舞われる。「あの地震から、グリーンの形状、また芝の質など、私の感想は少し変わったと思う。グリーンに小さなこぶのようなものができたし、ラフなど逆目の芝が多くなって、クラブの抜けがとても難しいところも増えた。それが地震の影響なのかわからないけど今回、まったく違うコースでプレーするつもりでいます」。

 リセットして、新たに気持ちを整えた。優勝して故郷へ凱旋したことは、精神面でもいい作用がある。ただし、今大会へかける闘志はさらに燃え上がってきた。「初優勝の時は、怖いものがなかった。だけど、経験をたくさん積んできたから今は、とても…。07年の時の優勝が昔過ぎるから、忘れてしまった方、知らない方も多いでしょう。そろそろ上書きしないといけませんね」といい、「17年にプレーオフで負けた際は、優勝したい-その気持ちが強すぎて、逆に緊張してしまったかなぁ。特に今回は有観客で行われること3年ぶりです。今の私の姿をご覧になってほしい」と続けた。

 春は始まりの季節。自身にとっても大好きな時だ。「春が好き。ジュニアの頃から、成績が良かった。気まぐれな風がコースに吹いて、我慢強く耐え忍びながらプレーすることが私にはあっています。好きな季節だから、成績がいいのでしょうね」と説明した。

 もちろん、準備は怠らない。この日も指定練習日とはいえ、ひとつの所作がプロだなぁ、と感じるほどだ。「海外の選手をみていて、自然にそうなった。特に参考にしているのは姿勢。あすからも、姿勢が悪くならないようにします」と注意を怠らない。一方で、魅せることも忘れてはいなかった。

 アクセサリーひとつでも、こだわりが凝縮。「誕生月のパールを集めている。前週、(約1年ぶりに)勝ったから、その記念にできるものを探しています」と明かしている。富、長寿、健康の象徴は、プロゴルファーにピタリと当てはまっていると思う。

 ホームコースへ戻り、すべてをリセットした。まさに、いまひとたびの-そんな境地で自身初の2週連続Vへ挑む。

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