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2022.4.24

Day 3 プラスワン~川奈と戸張捷GP

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

40th フジサンケイレディスクラシック 川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)最終日

 絶景が広がっている。プレーを見ながら3日間、コースを歩いた。目前には海が広がり、振り向けば富士山がのぞく。川奈ホテルゴルフコース富士コースは毎日、違った表情をみせた。もし、北斎、広重がこの場にいたら、どんな錦絵を描くのだろう。そんな空想の世界にも誘ってくれた。自然のままの溶岩台地を生かし、レイアウトにおさめる。先人の知恵と情熱が宿っていた。

 今年は第40回記念大会。米国ゴルフマガジン誌が選出する、2021-22年の世界ゴルフ100選へ、日本では兵庫・廣野ゴルフ倶楽部と、川奈の2つが選ばれている。大会の戸張捷ゼネラルプロデューサーは、約30年前から同100選を投票するパネリスト。どんな基準で選ぶか-をうかがい大きく相槌を打った。

 「簡単にいうと、そこにある地面の上にゴルフ場を置き、レイアウトをつくる。約90年も前、ブルドーザーなどの機械がなかったし、設計者がいい土地を選び出し、あるがままにつくられる。それがいいコースの定義。1番からプレーをすれば、わかるけどリズムがある。当初、牧場にする計画だったものを、財閥設立者の大倉喜八郎さんがゴルフ場に適していると知り、チャールズ・ヒュー・アリソンへ依頼した。強い意志と、本当にいいものをつくる、という信念が自然とコースの融和を成し遂げたと思う」と説明する。

 川奈でのトーナメント開催は男子のフジサンケイクラシックからスタート。「日本を代表するコースで試合を開催したい。ところが、コースをお借りするのは楽ではなかった。おうかがいをしても、けんもほろろに断られたけど、どうしても私はここでトーナメントを-という信念があったから辛抱強く、交渉を重ねて。開催が決まって誰が一番喜んだと思いますか-」と前置きした。

 そして、遠くを見るような目で、「ジャンボが、川奈でプレーできることがうれしい、といってくれた。グリーン奥からのチップイン、劇的なイーグル奪取などの離れ業は、川奈でプレーすることの喜びだったみたい。時代とともに、男子は飛躍的に飛距離が伸びた。入れ替えで女子のトーナメントになったけど、いいコースは難しくても選手を育てたでしょう。変更当初、18番の第2打で8I、7Iでピンを狙ったのは福嶋(晃子)さんだけ。他の選手はフェアウエイウッドを使っていた。それが今、当たり前のように選手がアイアンでピンを狙う。すごいなぁ」。

 名コースは、選手を育てる。大会の歴史を記憶へ刻み、高橋彩華の初優勝に酔いしれた。

(メディア管理部・中山 亜子)

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