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2022.4.29

天本ハルカ ルーキー見参の68

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント 浜野ゴルフクラブ(千葉県)第1日

 初めての公式会見。ちょっと居心地が悪そうにインタビュールームを観察する。そんな天本ハルカの素振りがとても新鮮に映った。

 6バーディー、2ボギーの68をマーク。3位タイの好スタートは上昇のサインだった。インスタートの序盤から、得意のショートゲームがさえた。前半の4バーディーは、すべて2メートル以内のバーディーチャンスをモノにする。

 「前週の最終日から、いい流れがきている。前半のノーボギーがうれしいです。きょうは、前後半で、それぞれ3バーディーが目標でした。得意の距離を残し、気持ちよくクラブを振れたと思います」と振り返った。

 最も、印象に残ったのはパー5の18番。残り90ヤードの第3打をピン手前30センチへ運ぶ。切れ味抜群。ショットもさることながら、移動の際もきびきびとして動く。いかにも、ルーキーらしい。

 「開幕戦からJLPGAツアーでプレーできることが本当にうれしいです。試合はもちろんだけど、練習も楽しい。何より、練習場といえば、マットで打つことが多かったけど、実際に芝の上からボールが打てる。これが大きい。おかげで、試合を重ねるたびに距離感がつかめるようになった」

 98年生まれの黄金世代だ。アマチュア時代、これといった実績はない。無名の存在だ。決してエリートとはいえないが、遠回りした分、チャンスを逃さない粘りとしぶとさを身につけた。昨年11月、最終プロテスト合格する前は、試合を求めて台湾ツアーへ出場した経歴もある。

 プロテスト合格前、日本のツアー経験は18年のステップ・アップ・ツアーで1試合を戦ったのみ。「少しずつ、自信がついてきました。上位でプレーできることは、これからにつながります。後半戦へ弾みをつけ、その後はシード権を狙っていきたい」。今時の選手とは思えないほど、控えめに語っている。

 QTランキングは32位。8戦して、予選落ちが2回で前週の13位タイがベストフィニッシュだ。「優勝したい」と、きっと口にしたいだろう。でも、あえて言葉にしなかったのは、スポンジのように、たっぷりとルーキーの春を吸い込んでいるから-。目の輝きがそんな決意を表していた。

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