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2022.6.5

稲見萌寧、今季初V-16番で完全復調

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第14戦『リシャール・ミル ヨネックスレディスゴルフトーナメント2022』(賞金総額9000万円、優勝賞金1620万円)大会最終日が6月5日、新潟県長岡市・ヨネックスカントリークラブ(6475ヤード/パー72)で行われ、稲見萌寧が通算7アンダーで今季初優勝を飾った。第1日からの完全Vで完全復調をアピール。JLPGAツアー通算11勝目をあげた。2打差の通算5アンダー、2位タイは藤田さいき、岩井千怜。
(天候:晴れ 気温:19.9℃ 風速:1.9m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:24mm》

 ウイニングパットを決めると、ようやく稲見萌寧が安どの表情を浮かべた。「ギャラリーの皆さんの前で優勝カップを掲げることができて、本当にうれしい」。22年のツアー初Vまで14戦を要した。通算11勝目は完全V。ただし、ここまでのプロセスと大会3日間の激闘を振り返れば、おそらく生涯忘れられない1勝に違いない。

 すごいシーンがあった。パー3の16番。第1打がグリーン右手前のバンカーへ飛び込んだ。2番目の難度。しかも、ボールが砂の中で目玉のようになっている。一大ピンチだ。

 「ボールが出るのか…。バンカーで、もう一打かも、と脳裏に浮かんだ。ダブルボギーだけは絶対さけたい。なかなかイメージがわいてこなかった」という。選択したのは52度だ。ピンまで25ヤード。

 覚悟が決まった。「クラブフェースをちょっと開き、上からバーン。とりあえずボールが前へのイメージです」。普段から、練習熱心でも目玉の状態を想定しては「ありません」とも話す。

 ギャラリーがかたずをのんで見つめた。このワンショットがピン3メートルへ脱出成功。名手の技である。「見た目でやられてしまう。できすぎかもしれません。必死でした。想像以上です」と解説。ただし、次は3メートルのパーセーブが待っていた。

 なるほど、簡単には優勝などできない。「のぼりのスライスラインです。狙い通りにストロークをしなければ絶対にカップインしない。第2打、第3打で全能力を使った感じがした」と振りかえる。

 今季、思い通りに成績が上がらない。意外な原因があった。「反り腰を矯正する。オフの1月、普段の生活から姿勢をなおしていった。ただ、プレーをするとなると力が入らない。開幕戦から2カ月ぐらいは、アドレスで悩んだ。重心位置が定まらず、かなり違和感が…。よくなってきたのは、ワールドレディスサロンパスカップぐらいです」と告白。

 勝負の世界には2年目のジンクスがある。大活躍をした翌年、なかなか思うように成績が上がらないことをさす。大ギャラリーの熱視線を浴びるスタートでは各大会、決まって東京オリンピック銀メダル、賞金女王の冠がアナウンスされる。

 「私の場合、他の選手よりちょっと(アナウンスの)時間が長い。また、賞金女王のアナウンスの後もう一度、拍手がいただける。楽しくなりますね」。だからこそ、はやく期待に応えたかった。ただし、あせりは禁物。「上位争いを続けながら、優勝ができれば-そう思っていた。夏前ぐらいに…。でも、勝てる時に勝てて良かったです」とも加える。

 最終日、前日の宣言通り、フェアウエイキープ率が向上。13/14と持ち前の精度がよみがえった。「まだ、きのうお話した70点ぐらいの評価。複数回の優勝ができるように練習をします。スイングなどで、これは違う-と感じることが少なくなってきた」そうだ。

 入梅の候、念願の初優勝を飾った。では、出梅までに果たして何勝をあげているか。16番で披露した2連続のスーパープレーが完全復調を告げた。

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