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2022.6.10

一気に首位 藤田さいき『よく頑張っている、私』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第15戦『宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億5000万円、優勝賞金2700万円)大会第2日が6月10日、兵庫県神戸市・六甲国際ゴルフ倶楽部(6527ヤード/パー72)で行われた。この日、スポットを浴びたのは通算10アンダーで首位に立った藤田さいき。ベテランらしいテクニックを駆使して、バーディーを量産。3打差の通算7アンダー、2位タイで工藤遥加、セキユウティンが追走する。そして、通算6アンダー、4位タイで2週連続Vを目指す稲見萌寧、小祝さくらなど4人が決勝ラウンドでジャンプアップを狙う。
(天候:晴れ 気温:24.4℃ 風速:1.9m/s)
《グリーン=スティンプ:12フィート コンパクション:23mm》

 気がつけば首位。好調が続く藤田さいきが、今季初めてトップへ立った。しかも、2位へ3打差をつけている。

 「よく頑張っている、私-と言い聞かせたい。今夜もいい夢をみたいなぁ」と話した。スタートから連続バーディー発進。ラスト2ホールも連続バーディーで締めた。公式会見で、その質問を受けると、ハッとしたように「そういえば、そうでした」と笑っている。

 忘れたのではない。プレーへ集中するあまり、気がつかなかったのだ。「プロになったころから、難コースや、とても難しいピンポジションへ挑戦することで育てられた。どうしたら、攻略することができるか…。考えるだけで意欲がわいてくる。そういうことって、おもしろいです」。

 今大会は同い年でアンバサダーをつとめる、宮里藍がピンポジションを担当。この日は右カップのしかも、難しいところにカップが切られた。「同組の全(美貞)さん、成田(美寿々)さんと朝から、(ピンポジションが)難しそうと話していた」という。それだけに、挑戦意欲をくすぐられ、集中力が増す。ただし、調子が良かったかとなると、それほどでもない。

 「ショットが乱れていた。どうやって修正しようか。すごく脳を使った。アドレスのボール位置など、微調整を繰り返して」と振り返る。なるほど、苦悩のラウンドはフェアウエイキープ率をみれば一目瞭然。7/14だった。

 ハイライトは自身が語った14番・第2打。ラフから挑んだ。「目の前に木がある。ピン方向へボールを打てない。左サイドから20ヤードぐらいのスライスをかけた。左方向からの風が吹いていたし、すごくうまく打てたと思う」と振り返る。

 このショットがグリーンをとらえた。そして、5メートルのバーディーパットを決める。同組の成田から、「木が気にならなかったのですか」と、あとから声をかけられたほどだ。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 「スタートダッシュが、あまり得意ではないけど、とりあえず天気の良い2日間は頑張ろうという作戦。予定通り、ここまでうまくいっています」。となれば、決勝ラウンドでも好調をキープすればいい。JLPGAツアー通算5勝。ところが、11年も優勝から遠ざかっている。

 「朝起きたら、体のどこかが痛い。回復力が若い頃と比べてちょっと…。食事、睡眠、入浴でカバーしている。連戦が続いて疲れているなぁ、とは感じるけど慣れていかなければなりませんね」と漏らす。

 残り2日間で3打のアドバンテージを得た。「最後に笑顔で終わりたい。あと2日間、歩いてきます」。締めの言葉も決まった。若手にはない存在感と経験で勝負する。

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