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2022.6.19

圧巻の大会新 西村優菜『ノーボギーを自慢しよう』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第16戦『ニチレイレディス』(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)大会最終日が6月19日、千葉県千葉市・袖ヶ浦カンツリークラブ 新袖コース(6563ヤード/パー72)で行われ、西村優菜が大会新の通算17アンダーで今季初優勝を飾った。1990年以降、史上12人目のノーボギーVを達成。通算5勝目で改めて強さをアピールした。2位は通算14アンダーの森田遥。通算12アンダーの山下美夢有、稲見萌寧が3位タイに入った。
(天候:曇り時々晴れ 気温:25.5℃ 風速:4.3m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:23mm》

 冷静な心と、ここ一番の度胸。西村優菜が大会新の17アンダーで、通算5勝目を圧勝で飾った。

 「すごくうれしい。3日間、ノーボギーでプレーしたことが初めて。内容も良かった」と、満点の笑顔で勝負を振り返った。首位タイでスタートした森田遥とのマッチレース。粘りが勝利を引き寄せたといっていい。

 14番、第2打でグリーンをオーバーする誤算。3メートルのパーパットが残った。「難しいと考えるのではなく、チャンスだと思えばいい」と、すぐさま思考を転換。きれいなストロークから、あっさりとカップインすると、力強いガッツポーズが飛び出す。一転、攻勢へ転じた。続く15番、第2打はミスショットながら、ピン左上7メートルへ。

 「ミスでも、あまり曲がらないラインへボールを運んだ。チャンスがある」と集中し、良いボールの回転をさせることに傾注する。そして、その通りのストロークができた。首位を行く森田が第2打を林へ打ち込み、ボギー。バーディー奪取で一気に首位に立った。

 前半、2打のリードを許したものの、「焦りはなし。後半のチャンス待ち-という気持ちでした」と振り返る。こうなれば、過去4勝の経験がモノを言う。極め付きはパー3の17番だ。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 9Wでピン横50センチへ、刺すような鋭い打球を放つ。森田が、「まさかバーディーが来るとは思わなかった。西村さん、やっぱりうまかったです」と絶賛したほどだ。勝負はあった、と思えたものの、18番は安全策をとるわけにはいかない。2打差のリードがあるとはいえ、「イーグルがとれるホール。守りに入ったら勝てない」と、さらに気を引き締めた。

 65ヤードの第3打を、58度でピン1.5メートルに寄せ、バーディーがウイニングパットへ。本当に強い。1年前のワールドレディスサロンパスカップで披露した、賢者のゴルフを再現するかのようだ。

 昨季4勝をあげている。ところが、今季は「開幕戦からショットの調子が良くても、勝ちきれない。KKT杯バンテリンレディスのプレーオフ負けが本当に悔しかった」と明かす。一方、2週前は全米女子オープンへ挑戦。「結果を求めた」にもかかわらず、予選落ちを喫した。「いい経験ではありません。プレー中のメンタルの保ち方など、トップ選手がどうしているかなど、観察ができた」。多くを語らなかったのは、自身のプライドだろう。このあたりにも、強さの秘密が隠れている。

 帰国後、心機一転の意味で前週からパターをスイッチ。パーオンホールの平均パット数は、1.7389の1位。同じ平均パット数でも、1ラウンドあたりの1位は森田である。ツアー屈指、パッティングの名手が競演した最終日はギャラリーの熱視線でさらにスリリングに。 

 「これほど、たくさんのギャラリーの皆さんの前で優勝できたことがうれしい。それから、母が見ている前で初めて勝てた」といい、「父の日です。とにかく厳しい。いつもボギーを打ちすぎと怒られている。だから、きょうは3日間ノーボギーを自慢しよう」と胸を張った。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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