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2022.8.14

岩井千怜ツインズ初のツアーV『私でも勝てた』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第23戦『NEC軽井沢72ゴルフトーナメント』(賞金総額8000万円、優勝賞金1440万円)大会最終日が8月14日、長野県軽井沢町・軽井沢72ゴルフ北コース(6679ヤード/パー72)で行われ、岩井千怜が通算13アンダーでツアー初優勝。首位タイスタートのこの日も、5バーディー、2ボギーの69で逃げ切った。同時に史上初の双子プロ初Vを達成。1打差の12アンダー、2位タイは植竹希望、勝みなみ、吉田優利、堀琴音、吉本ひかる、岡山絵里が入った。
(天候:曇り 気温:25.1℃ 風速:3.3m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/4フィート コンパクション:21.5mm》

 倍返しを達成すると、美しい涙が流れる。岩井千怜のJLPGAツアー初優勝は、大混戦を勝ち抜くルーキーらしからぬ力強さが際立っていた。

 「QTで失敗して、数少ないチャンスをつかんだ。努力を重ねてきて良かった。私でも勝てるんだと思って…。泣いてしまいました」。スタートから、キリリと表情が引き締まっていても、最終日の18ホールは経験をしたことがない未知の領域。さまざまな出来事があったという。

 2打差のアドバンテージで最終ホールへ。残り135ヤードの第2打を8Iでピン6.5メートルへ運んだ。しかし、緊張感が最高潮へ達し、うまく両手が動かない。3パットのボギーで何とか優勝を手にした。「パッティングが全く思うようにストロークできない。本当にびっくりした」と振り返る。本人だけがわかる優勝の重みがここにあった。

 首位タイでスタートしたこの日。目標は68とスコアを4つ伸ばすことだ。前半は2バーディー、1ボギー。勢いがついたのは勝負のバックナインへ入った10番だった。残り123ヤードの第2打を9Iでピン4メートルへつける。強気のパッティングで、鮮やかにカップイン。ガッツポーズが自然に飛び出す。

<Photo:Atushi Tomura/Getty Images>

 「このホールがバーディーなら、きっと流れが来る、と思った。ショットでうまくクラブが振り切れたと思います。そう考えると、気分がワクワクして…」。続く11番も同様だ。のびのびとクラブを振り抜き、またも4メートルのバーディーパットを決めている。さらに、1ホールおいた13番も上々のバーディーで、混戦からグイッと抜け出した。

 とはいえ、超攻撃的なスタイルは崩さない。スコアボードなどで戦況を確認してはいなかったからだ。「勝つには攻めるしかありません」。なるほどである。最後のパー5・16番でも果敢に2オン狙い。大きく深呼吸をした。「2オンしたら恰好いいでしょう。ご覧になっている方がワクワクするようなプレーをお見せしたい」。ところが、ボールは届かない。パーセーブに終わったものの、自身のスタイルを貫いたところに価値を見出した。

 20年度最終プロテスト合格者、初のツアー優勝である。さらに、昨年は同期で初のステップ・アップ・ツアーVを飾った。トップランナーとして抜群の存在感を示している。しかも、双子のプロ姉妹4組目で初のツアー優勝者。これからが、より楽しみになってきた。

 「双子でゴルフをしていると、どっちが上-と比較されます。私は、そういうことが嫌いではない。刺激になります」といい、「(双子の)片方が上位へ行くと、すごくイメージが良くなる利点がある。だって、ずっと一緒に練習をしているわけだし、やっていることは変わりがない。(姉の)明愛は子どもの頃から、運動神経が抜群。対照的に私は、コツコツ積み重ねてようやくできる-そんな違いがあります」。今大会、53位タイに終わった明愛へ奮起を促す、ツインズのメッセージで会見を締めくくった。

<Photo:Atushi Tomura/Getty Images>

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