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2023.1.13

春を待つ94期生~藤田 かれん

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 コロナ禍の難しい調整を克服。2023年、プロ2年目のスタートを切る。21年11月、29.2倍という、狭き門を潜り抜けた94期生は逸材揃い-との評判が高い。

 ふじた かれん=2000年8月14日、滋賀県米原市

 雌雄の時は過ぎ去った。今季は不得手-と話したパッティングのスタイルを構築しなければならない。パット・イズ・マネーはゴルフの鉄則。「今オフ、じっくり調整して、開幕戦からしっかり戦う」と、決意をのべた。

 「元々、パッティングの苦手意識があった。加えて、私自身はラインの読み方がちょっと…という気持ちだったけど、どうもそれだけではないということに気づかされた。狙ったところへストロークできない。構え方などいろいろと原因があるようです」とも。

 ルーキーシーズンの昨年は試合へ出場しながら選手、関係者を問わず、多くの人から意見を聞き、さまざまな教えを受けた。しかし、実践するのは当の本人。数多くの金言をそしゃくしながら、練習を繰り返す毎日。「選手の皆さん、がおっしゃっていることに共通するのは、これだ-と感じるきっかけがある。私はそれが見つからない。でも、今年はきっかけが発見できる予感がする」と、来るXデー到来に備え、態勢を整える。

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 律儀で正直。言葉の端からそんな様がうかがえる。取材時、こんなことがあった。事前に22年のベストプレーなどを振り返ってほしい、とリクエストすると、「去年の1試合、1試合を思い出しながらたどっていったけど、ベストショットといえるかどうか…。だけど、印象深い、ショットがありました」。

 山陽新聞レディースカップ最終日、18番の第4打をあげている。「台風の影響があり、セカンドカットが行われたほどです。にもかかわらず、たくさんのギャラリーさんがコースへ足を運んでくださった。私は最終ホールで2オン狙い。残念だけど、そのショットが池へ入って、ドロップして仕切り直しでした。でも、残り60ヤードから58度でピン1.5メートルへ運んで、パーセーブに成功。それはもう、人生で一番多くの歓声と拍手を頂戴しました。本当に気持ちがいい。プロになった喜びがこれだ-と感じたワンシーンです」という。

 そのエピソードを聞き、ブルース・リーの『考えるな。感じろ』という名言が浮かんでくる。また、21年最終プロテスト最終日はこんなことがあった。前半41を叩き大ピンチへ直面したものの後半で32の猛チャージを披露。5位タイで三度目の正直を成し遂げた。

<Photo:Toru Hanai/Getty Images>

 一方、「もっとゴルフを好きになる」をテーマに掲げる。きっかけは河本結のSNSを目にしたことだ。「写真と文字を通して、ゴルフが大好きだという心情が伝わってきました。しかも、心から楽しんでいるご様子です。私もそんな選手になりたい」と話した。

 7歳からゴルフが趣味の父・信之さんの手ほどきを受け、クラブを握る。「兄が2人いて、長兄はプロ(翼)です。父はゴルフ雑誌などを熟読して、自身の考えなどを子どもの私たちへ話す。要は、その実践モデルというのでしょうか」といい、さらに続けた。

 「指導はとても厳しい。その他の教育でも。でも、そのおかげでプロになる前から、スポンサーさんから支援を受けることもできました。礼儀作法、言葉遣いなど私なりに勉強をしたけど、それも両親の教えがあればこそ。大事にしていきます」と感謝を表す。22歳でも、OL生活を何年も続けてきたようなトーク、たたずまいは一朝一夕で身につくものではない。
 
 一方で意外な一面を明かした。「アウトドア派というわけではありませんけど、自宅へ一日中過ごす、ということが苦手です。外出して、さまざまなショップが立ち並ぶ空間にいることが心地いい。ちょっとカフェへ行ったりして…」。動と静を巧みに取り入れ、気分転換を図る。

 寺山修司・書を捨てよ、町へ出ようならぬ、クラブを置き、街へ出る-の世界。きっとステキな発見がある。

(青木 政司)

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

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