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2023.1.18

春を待つ94期生~星野 杏奈

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 コロナ禍の難しい調整を克服。2023年、プロ2年目のスタートを切る。21年11月、29.2倍という、狭き門を潜り抜けた94期生は逸材揃い-との評判が高い。

 ほしの・あんな=1999年2月27日、埼玉県さいたま市出身

 新型コロナウイルス感染拡大から3年。さまざまな生活様式が、わずか3年で大きな変化をもたらした。「実は私-」と前置きし、意外な経歴を漏らす。

 「大学4年の時、一度はゴルフをやめる決断をした。ちょうど、コロナ禍で(20年の)プロテストが延期になったことが進路選択の決め手になって…。プロゴルファーを目指すには、やはりお金がかかる。大学を卒業し、22歳になっても両親に迷惑をかけるのはどうかなぁ。そう思ったからです。ただ、就職活動をスタートするのが遅く、大学のゴルフ部の監督へ相談にいくと所属先のサーフビバレッジを紹介してくださった」。

 気がつけばOLである。ところが、またしても運命が変わる。「(サーフビバレッジの)会長がゴルフを続けなさい、といってくださった。午前8時から12時まで出勤して、午後は練習。実業団のイメージです。おかげさまで、21年の最終プロテストに合格できた。今も人事総務部の社員兼所属プロです」と説明している。ダブルワークのプロゴルファーは、ちょっと珍しい。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

回り道をした分だけ、社会勉強、経験がある。「就職するには、面接や試験も。また、ご縁をいただくという意味が本当に、本当にわかりました。いろいろな方から後押ししてくださって、今があります。もし、サーフビバレッジ以外の会社へ就職していたら、どうなっていたのでしょうね。皆さんへ、どんな形でもいいから恩返しすることが私の使命であり、エネルギーの源です」とも加えた。

ルーキーシーズンはJLPGAツアー12試合出場で、予選落ちが9回。「ひとことでいえば、うまくいかないシーズン。プレーがまとまらない。空回りしたというのか…。ツアー生活がはじめてでしたから、気負いと緊張ばかりで残念です」と総括した。

ただし、困難な状況で喜びや、やりがいをみつける広い視野の持ち主。「ホテル生活が楽しい。第一、規則正しい生活リズムができることが好きです」といい、「後半戦のステップで少しずつではあるものの、バーディー数が増えてきた。山陽新聞レディースカップ第1日の8バーディーは自己最多です。そして、宍戸ヒルズレディース森ビルカップ第1日、パー5の14番で今年はじめて2オンへ成功した。元々、飛距離はそれほど出るほうではない。イーグルは残念ながら逃したけど、もっとできる。そう感じたワンプレーです」。

それだけに今オフ、筋力アップを図るため積極的にトレーニングを行う。2月にはタイで合宿を行う予定だ。「耐えるゴルフだけでは上位へはいけません。ボギーを打たず、バーディーをひとつでも多く-。23年の目標は、予選通過かかなぁ」と、ごく控えめに答えた。

<Photo:Ken Ishii/Getty Images>

一方、取材時に目を引いたのは、ウェア左胸にあしらわれている折り鶴のロゴマーク。昨年11月、サッカーワールドカップカタール大会で、ジャイアントキリングを連発した日本代表のユニホームには、全体に折り鶴のデザインがあしらわれていた。スタジアムのロッカールームへ、感謝のメッセージとともに折り鶴を置くことも世界的なニュースになっている。

 23年、どんな願いを込めたのだろうか。もっとも、印象に残ったのは、ホッと心が和む笑顔だった。

(青木 政司)


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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