2023.3.31
88期生奮闘中 蛭田と山内がV争いを展開
蛭田みな美<Photo:Kenta Harada/Getty Images>
ヤマハレディースオープン葛城 葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)第2日
2日連続60台のスコア。通算7アンダーでホールアウトした蛭田みな美は、「満足そうに、「第一段階をクリアした」と、大きくうなずいた。前半4バーディー、2ボギーで折り返し、後半はパープレー。それだけに、最終18番のバーディーフィニッシュは値千金だろう。
第2打がバンカーへ。残り15ヤードの第3打をピンそば1メートルにつける、ナイスリカバリーを披露する。「後半、ピンチの連続でした。パーオンが少ない。最大のピンチは15番。バンカーで目玉になったりしたけど、3メートルのパーセーブです。きつかったなぁ」と振り返った。
前週、予選落ちに終わったものの、弾道測定器を使用し再調整。「今季、1Wの飛距離が伸びたと感じる。開幕からその感覚に慣れていなかったけど、ようやくあってきた。でも、ボールを飛ばそうと意識しているわけではありません。アイアンショットは、ほぼ(飛距離が)変わっていないから。また、左右のブレが少なくなったことがいいと思う」と続けている。
なるほど、実際に23年は数字へ表れてきた。トータルドライビング(ドライビングディスタンス順位とフェアウェイキープ率順位を合算した値)が1位へ躍進。22年、同スタッツは58位だった。シーズン序盤とはいえ、1Wの飛距離が約9ヤード伸び、フェアウェイキープ率の大幅アップが好調の要因だ。
さらに、体を気遣うようになった。「プレー中の飲み物を代えている。コースで食事をするわけにはいかないから、しっかり糖質をとらないと…。また、食事はたんぱく質を多くしている。今年からプロテインもトレーナーからすすめられ、飲むようになった」。気力、体力ともに充実している様子がうかがえる。
山内日菜子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
一方で、大いなる発奮材料が-。同じ88期生、山内日菜子のJLPGAツアー初優勝だろう。その山内も前週に続き、上位で奮闘中。「同期は年代が結構、バラバラだけど皆さんがやさしい。穏やかな方が多いし、落ち着いていることが共通するところでしょうか」と話した。
そして、自身の第2日を、「ノーボギーラウンドが達成できなかったことが残念。第3打でディボットが深くて、ウエッジを選択したけどPW、9Iの方がよかったかもしれない」と首をひねったものの、すぐさま笑みを浮かべながら、「微妙なパーパットが6ホールあって、こちらはすべて決まった」と後悔よりも、前向きである。
その上で、「本当に自信がでてきた。それから、純粋な気持ちでプレーが楽しいです。きょうも(前週の最終日と)変わらないぐらい、たくさんのギャラリーの皆さんが見守ってくださった。朝から、みせるプレーがしたいなぁ、と思って、実践できましたよ」と語っている。
もうひとつ、内面の変化に触れ、「怖がらずにショットを打てるようになった。優勝して、これが一番の違いかもしれない。それから、メンタルが変わった。毎年、試合へ出場しても頭の中のどこかで、QTのことを考えていたことが多い。今年は最終戦まで-来年も試合の出場権があるから心配のタネがない。おかげで集中できる」。
プレーだけではない。連日の取材でトークまで覚醒したことがわかる。しかも、蛭田など同期生へ大いなる刺激を与えた。ちなみに、88期生は現在、ツアー3勝。相乗作用と相乗効果を期待しよう。
(青木 政司)
山内日菜子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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