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2023.4.13

福山恵梨が逆転Vで千載一遇の機会を活かす

<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2023シーズン第4戦『フンドーキンレディース』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が4月13日、大分県臼杵市、臼杵カントリークラブ(6,474Yards/Par72)で行われ、福山恵梨が逆転優勝。通算10アンダーで、2017年以来6年振りとなるステップ・アップ・ツアー通算4勝目を飾った。2打差の通算8アンダー、2位は藤田かれん。
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 約20センチのウイニングパットを決めても福山恵梨はかすかな笑みを浮かべただけだった。「まだ後続の組がいたので、気を抜けないなと。自分が最終組だったら喜んでいたと思います」。

 首位と4打ビハインドで迎えた最終日、頭の中には優勝よりも通算10アンダーまでスコアを伸ばすことしかなかった。そのためには67で回らなければいけなかったが、自信はあった。

 「第1日からショットがずっと良かったんですよ。ただ、パッティングが入らなくて…」。パッティングさえ入ればビッグスコアを出せる雰囲気を自分のゴルフに感じていた。

 前半スコアを3つ伸ばし、通算8アンダーに。この時点で単独首位に立っていたが、福山自身はそのことに気がついていなかった。「ホントですか。順位は全く気にしていなかったです」。15番ホールのティーイングエリアで初めてスコアボードを見て、自分が単独首位にいることを知ったという。

 それでも、通算10アンダーの目標は変わらない。16番パー3では、あわやホールインワンかというスーパーショットでピンそば40センチにつけてバーディー。17番パー4でも7メートルを沈め、ついに2ケタアンダーの大台に乗せた福山。2位以下に2打差をつけ、ステップ・アップ・ツアーでは6年ぶりの優勝を飾った。

 聞けば、今大会には出場できるかどうか分からなかったという。今季のQTランキングが175位だったため、出場権が降りてきたのは今週、現地に到着してからだった。今回の優勝で、残りの試合を全て出場できるようになったため、まさに千載一遇のチャンスをモノにしたわけだ。

 もちろん、単に出場できたからといって、簡単に勝てるほど甘い世界ではない。このような時のために、必死で爪を研いできた。「課題だったアプローチとパットだけでなく、ショットもかなり練習していました。あと、体力アップのトレーニングも地道に続けていました」。そこにプロ12年の経験が加わる。

 「18歳でプロに合格してあっという間に30歳になりましたが、知識も増え、技術面でも体力面でも今が一番仕上がっています。まだまだこれからだと思いますし、若手には負けないゾという気持です」

 ステップ・アップ・ツアーでは17年に3勝を挙げているが、そのときはどの優勝も必死にプレーした結果であり、周囲を見る余裕は少しもなかったという。「当時と比べたら落ち着いてゆっくりゴルフができていますし、レベル自体も上がっていると思います」と振り返る。

 沖学園時代の同級生で今でも仲がいい福田真未は今季、JLPGAツアーでトップテン入り3回と好調なプレーを見せている。それが福山にもいい刺激を与えており、「自分がJLPGAツアーに出場したときには、ぜひとも上位に入り、リランキングの順位を上げたい」という秘かな思いもある。アクサレディスゴルフトーナメントではQTランキングが181位と福山よりも下位にいた山内日菜子が優勝している。ツアープロとして脂が乗ってきた福山が第2の山内になることは決して不可能ではないはずだ。


<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

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