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2023.5.6

忍耐のムービングデー 吉田優利が首位キープ

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン公式競技・第1戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,400万円)大会第3日が5月6日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部 西コース(6,780ヤード/パー72)で行われた。最大瞬間風速15.3m/sの強風が吹き荒れ、さらにコースの難度があがる。通算イーブンパーで吉田優利が首位をキープ。2打差の通算2オーバー、2位タイにリハナがつけている。通算4オーバー、3位タイに上田桃子、この日8番でホールインワンを達成した申ジエら4人。
(天候:晴れ 気温:27.2℃ 風速:6.2m/s)
《グリーン=スティンプ:13 1/4フィート コンパクション:24.5mm》

 ついに、アンダーパーがいなくなった。ガマンに次ぐ、ガマンを重ね、吉田優利は首位をキープ。最終18番、残り137ヤードの第2打をPWでピン手前3メートルへ運ぶ。会心のショットだろう。何度も、口にした「一番好きなコース」である。

 集中力を最大限に高めて、バーディーパットへ挑んだ。まるで気迫が乗り移ったかのよう。見事なバーディーフィニッシュで締めた。ギャラリーの大歓声は日が傾きかけてきたコースへとどろく。「きょう一日、耐えてきた。最後はごほうびでしょうね」と、胸をなでおろす。

 通算イーブンパー。それほど、厳しいコンディションだった。4日間大会で、3ラウンド終了後、アンダーパーが皆無となったのは12年日本女子オープン以来11年ぶりである。テクニック以上に、強じんなメンタルまで必要だ。

 スタートホールからボギーを叩いた。前半は3ボギー。追い上げたリハナに首位を明け渡す。そして、後半は首位争いが一進一退。結局、首位を奪回し2打差で最終日へ向かう。

 「4オーバーは打ちすぎだけど、スコアは納得。たとえば、思ったように打って風で弾んだりしたことが何度か…。でも、気持ちは常に前向きです。誰が追い上げてきても、おかしくはないから」と振り返った。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 当然ながら強風対策は行っている。通常、風が強い日は低い弾道-がセオリーでも、「アゲンストの場合、ボールをつぶすようなスイングはしたくはありません。私はいつも通りのスイング。ただし、クラブの番手をあげました」と解説した。

 その上で、「私のゴルフをいいものにできるかです。結果やスコアはとても大事ですけど、どういうプレーをするかを大切にしている」と、自身のゴルフ哲学を言葉にしている。一方で、同じ辻村明志コーチに師事し、ともに練習を重ねてきた上田桃子との優勝争いを心から喜んだ。

 残念ながら、最終組で競演することはかなわなかったものの、「上田さんは、ひと組前ですね。いつも背中を見ながら練習を重ねてきた。そんな先輩と競えることは幸せです」と笑みをみせたが、「あしたは出場する全選手で一番、いいプレーをしたい」と力強いひとことを発して、覚悟が決まった。忍耐力、技、情熱で勝負する。

(青木 政司)

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