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2023.5.12

史上初の最終組対決を実現させた岩井ツインズの思い「姉妹というより1人の選手」

岩井 千怜<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第11戦『RKB×三井松島レディス』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2160万円)が5月12日、福岡県福岡市・福岡カンツリー倶楽部 和白コース(6299ヤード/パー72)で開幕した。第1日は好スコアが続出。7バーディー、ノーボギーの65をマークした岩井明愛が7アンダーで首位に立った。1打差の6アンダー、2位タイで地元・福岡県出身の福田真未、岩井千怜が追う。前週優勝の吉田優利は2オーバー、65位タイ。
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《グリーン=スティンプ:10 2/3フィート コンパクション:24mm》

 双子の岩井明愛と千怜が今大会の第2日に、JLPGAツアー史上初めて姉妹で一緒に最終組を回ることになった。地元・福岡出身の福田真未が同伴者となる。第1日は、7アンダーの単独首位で先にホールアウトした姉の明愛を、2組後の妹の千怜が追いかける展開となった。

 明愛は出だしの1番パー5でバーディーを奪った後、2番からは8ホール連続パーの我慢のゴルフが続いた。先週のワールドレディスチャンピオンシップはグリーンが固くて速く、優勝した吉田優利でさえオーバーパーにとどまったほど。明愛は「今週のグリーンも先週と同じくらい、すごく固いのですが、速さに関しては少しだけ今週の方が遅い。前半パットを打ち切れず、ショートばかりしていたのはそのためです」と説明した。

 それでも後半最初の10番パー4で、第3打をピン右手前2メートルにつけてバーディーを奪うと、解き放たれたように3連続バーディー。後半の9ホールだけで6つのバーディーを積み上げ、首位争いから1人抜け出した。

 そんな明愛の好調ぶりを、千怜が知ったのは16番終了後、途中経過を知らせるボードを見た瞬間だった。この時点で姉妹の差は2打。千怜も6番パー4では、打ち上げの118ヤードの第2打をPWで直接カップインさせイーグルを奪取していた。「うれしかったです。私もついていかなければと、活力になりました。私がバーディーを取れば(第2日に最終組で回る)チャンスがあるのかなと思いました」と気合を入れ直した千怜は、17番パー4で101ヤードの第2打をピン横約1.8メートルに寄せバーディー。姉妹対決を実現させた。

 明愛が「一緒に回る時は、他人と同じで気にしません。練習ラウンドを一緒に回る時は、ふざけ合うこともありますが、試合となればしゃべらなくなる。自分のプレーに集中というか、自分のことで精一杯ですよ」と言えば、千怜も「姉妹という感じではなく、お互い1人の選手ですよ」とうなずく。

岩井 明愛<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 明愛と千怜がJLPGAツアーの舞台で、成績によってペアリングが決まる第2日以降に同組で回るのは、お互いにアマチュアだった2018年のヨネックスレディス第2日以来2度目。姉妹は「確かに一緒に回ったけれど、その時のことは詳しくは覚えていません」と口をそろえる。父の雄士さんも「実はアマチュアの大会では何度も同組で回っていて、山下美夢有さんを含めて3人で最終組だったこともあります」と慣れたものだが、ただし「2人が最終日にも最終組を回り、首位を争いながら残り3ホールになったら、話は別。私はときめいてしまうかもしれない」と胸を躍らせる。

 2人は前週終了時点で、明愛が今季メルセデスランキング8位、千怜が9位と拮抗。第1日前夜には、両親と一緒に福岡名物のもつ鍋に舌鼓を打ったが、コースに出れば姉妹の情は封印する。2人とも「もちろん自分が優勝したいという気持ちはあります」と思いは同じ。あくまで姉妹の究極の目標は「最終日の最終組」を回ること、そして自分が勝ち切ることに他ならない。

(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)

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