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2023.5.20

1日28ホールを乗り越えた西村優菜が4位タイに急浮上!

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ブリヂストンレディスオープン 中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)第3日

 「たくさんのギャラリーの前でプレーがしたい、声援が聞きたい」という気持ちが、今大会の出場を決めた要因だと大会前に語っていた西村優菜。この日は第2ラウンドの残り10ホールと第3ラウンド18ホールの計28ホールを回ったが、望み通り大ギャラリーからたっぷりと声援を浴びていた。

 実際、この日の西村は神がかったゴルフを見せた。そのきっかけとなったのは、第2ラウンドの14番パー4だ。ピンまで残り145ヤード地点から7番アイアンを振り抜くと、ボールはピンと重なるように飛んで行く。逆光だったこともあり、グリーンに落ちてからは見えなかったが、勢いよくカップに飛び込むショットインイーグルを達成。ギャラリーからの大歓声でそのことを知ったという。その後、16番パー5でもバーディーを奪い、予選ラウンドを27位タイでフィニッシュ。食事をとるなど少しゆっくりした後、ストレッチ、練習を行い、トップスタートで1番パー4からティーオフした。

 帰国して5日目となったこの日、時差ボケはすでになく、体力との勝負だけが心配された西村。しかし、身長150センチの“小さな巨人”は、体の疲れを気持ちでカバーしようと心がけた。

 「ショットごとに気持ちを切り替えようと考えました。1打に集中したら、一度気持ちを緩め、また次の1打を迎えるときに気持ちを高めるという感じです」。さらに、ショットの前は余計なことをなるべく考えないようにした。目標を決めたら、パッとアドレスに入り、スッとテークバックに移る。ルーティーンをしっかりとつくることで、平常時のスイングに近づけた。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 ドライバーショットの調子がよくなかったものの、リズムをつくることでアイアンショットのキレが増す。それが加速したのが後半のハーフに入ってからだ。前半でスコアを1つ伸ばし、11番で4メートルのバーディーパットを沈めると、14番パー4から怒涛の5連続バーディーだ。圧巻だったのは最終18番パー4で、ピンまで残り140ヤードから8番アイアンで打つと、ボールはまたもやピン筋に飛んで行く。あわや1日2イーグルの偉業達成かと思われたが、ピンの手前に落下した後、惜しくもカップをかすめて奥のカラーに止まった。18番グリーン横にあるスタンドに陣取ったギャラリーから大歓声を浴びながらグリーンに上がった西村。ピンまで4メートルあったが、それをパターで沈めて、さらに大きな拍手と歓声に笑顔で応えた。

 後半のハーフはなんと29で回り、通算8アンダーまでスコアを伸ばした西村。初日の58位タイから気がつけば4位タイにまで順位を上げた。この日はジュニア時代から仲がよく、鎬を削った仲でもある安田祐香、ベテランの藤田さいきとのラウンドだったが、「プレーのペースが合っていて、気持ちよく回れたのも良かったです」と、雰囲気のよさも好結果につながった。

 改めて日本のよさを知った西村だが、もちろん、今年はUSLPGAツアーが主戦場であり、そこで好結果を残すことが目標だ。米国に戻ればまた過酷な環境が待っているが、残り18ホール、つかの間の“楽しい”JLPGAツアーを満喫する。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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