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2023.5.27

運も味方に 山下美夢有2週連続Vへ

<Photo:Masterpress/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第13戦『リゾートトラスト レディス』(賞金総額1億4000万円、優勝賞金2520万円)大会第3日が5月27日、静岡県浜松市・グランディ浜名湖ゴルフクラブ(6500ヤード/パー72)で行われ、2位タイから出た山下美夢有が6バーディー、ノーボギーの66をマークし首位へ浮上。通算17アンダーでJLPGAツアー史上初の4日間競技2週連続優勝へ大手をかけた。1打差の通算16アンダー、2位には佐久間朱莉。さらに通算13アンダー、3位で岩井千怜が続く。
(天候:晴れ時々曇り 気温:24.1℃ 風速:3.5m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/3フィート コンパクション:24mm》

 本当に強い選手は決勝ラウンドでスコアを伸ばすものだが、その条件としてボギーを叩かないことが挙げられる。いくらバーディーを奪っても、同じ数だけボギーを叩いてはスコアが伸びないからだ。そんな決勝ラウンドでのノーボギーゴルフを3ラウンド続けて達成しているのが山下美夢有。RKB×三井松島レディスの最終日、ブリヂストンレディスオープンの第3日、最終日と、ノーボギーでしかも66、65、65とスコアを伸ばし、2位タイ、優勝と結果を残している。この日もノーボギーで回り、連続記録を4ラウンドに伸ばしたが、バーディーもしっかり6つ奪い、通算17アンダーとして単独首位に立った。

「今日はピンチが無かったと思います」と、ホールアウト後は涼しい顔を見せていたが、よくよく聞くと、いくつかのラッキーにも助けられたという。

 まずは4番パー5だ。前日、イーグルを奪ったホールであり、果敢に2オンを狙おうとした。ピンまで210ヤードの距離で5番ウッドなら十分届く距離だが、フェアウェイだったにもかかわらず、ボールは砂の上にあり、しかも少し沈んでいたライだった。刻もうかとも思ったが、積極的に2オンを狙いにいった山下。ところが、ボールはグリーン手前の池に向かって飛んでいく。まさかという気持が過ったものの、ギリギリ池を越えることに成功。もしも池なら、パーセーブは難しかっただろう。


<Photo:Masterpress/Getty Images>

 さらに、8番パー4でもラッキーがあった。280ヤードと短いだけに、1オンするチャンスもある。ここで山下はドライバーを手にしたが、フォローでクラブから左手を離し、ボールは左サイドに飛んでいく。もう少しでバンカーにつかまるところだったが、その手前でギリギリ止まる。ただ、バンカー付近だったこともあり、またもや砂の上にボールが止まっていた。

「ピンまで76ヤードだったので最初は58度で打とうと思いましたが、ライが悪いので52度に替えました」。すると、砂を多く取り過ぎたせいか、ボールが飛ばないミスショットの感覚が手に残る。同時に砂が目に入るアクシデントに。「ああ、かなりショートだ」と思ってグリーンに上がってみると、なんとボールは意外にも転がり、ピン左手前1.5メートル付近にあるではないか。そのパットは外したものの、パーセーブに成功。流れを変えなかったことで9番・パー5でのバーディーにつなげた。

 前半のいい流れがあったからこその後半の3アンダーだったのは間違いない。とりあえず前週に続いて最終日を単独首位で迎える山下。過去に4日間大会を2週続けて制した選手はいない。前週は2打差スタートから7打差に広げてフィニッシュしたが、運も味方する山下が今週はどこまで2位との差を広げるのか、優勝以外にも興味が広がるところだ。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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