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2023.6.30

桑木志帆、ショット不調でも首位と1打差の2位に浮上

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

資生堂 レディスオープン 戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)第2日

 ショットの不調に苦しみながらも桑木志帆が70で回り、通算6アンダーまでスコアを伸ばした。結果的に単独2位で決勝ラウンドを迎えることになったが、今一つ気持ちがスッキリしない。前日より風が強く吹いたことで、思うようにボールをコントロールできなかったからだ。

 「ショットがしっくりきていないせいか、風に持っていかれる感じでした」。本来なら風にボールを乗せて打つタイプだが、ショット自体が不安定のため、予想以上に左右のブレが生まれた。そんな状態では積極的にバーディーを狙うこともできず、パーセーブを第一に考える作戦に切り替えたという。「ドライバーショットがフェアウェイをとらえ、なおかつショートアイアンを握ったときにピンを狙えばいいと割り切りました」。メリハリをつけた攻め方を心がけた結果、ボギーを2つ叩いたものの、バーディーを4つ奪えた。ただ、以前の桑木ならそのような攻め方をできなかったかもしれない。

 実は、前週のアース・モンダミンカップ最終日、優勝した申ジエと同組で回ったという。桑木自身はスコアを落とし、18位タイに終わったが、じっくりと申のゴルフを観察した。この日、申はスタートの1番ホールでバーディーを奪った後、10番ホールまで9ホール連続パーを重ねた。ひたすら耐えるゴルフを演じていたのだ。にもかかわらず、インコースに入って3つのバーディーを奪い、岩井明愛とのプレーオフに持ち込んで優勝を飾った。

 「まさに耐えるところと攻めるところのメリハリをつけたゴルフでしたね」。耐えるゴルフを続けても優勝できるんだと思えたことが、この日の桑木を支えた。また、申がラフから打つ姿も目に焼き付けていた。「基本的にボールの上からクラブヘッドを振り下ろす打ち方はしていませんでした。横から払う打ち方でしたが、ラフからのショットだからといって、力を入れて打つことはなく、いつも通りの力感で打ってましたね」。早速、この日はラフに入ったときは、力を入れずにスイングすることを心がけたという。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 もっとも、攻め方を変えてもパッティングが入らなければ好スコアは出ない。この日は前日不調だったパッティングを要所で決めることができた。特に、2メートル以内のショートパットが好調だったという。「前日はインパクトが緩んでいたと思い、今日はそこだけ注意しました」。桑木の場合、どうしてもテークバックが大きくなるクセがあり、それを分かっているからダウンスイングでスピードを緩めようとしがちになる。この日はできるだけテークバックを小さめにして、インパクトをしっかり目にすることを心がけた結果、ボールの転がりがよくなったという。

 惜しくも自身初のトーナメントリーダーにはなれなかったが、ショットが不調ながらもスコアを伸ばした事実は大きな自信となる。念願のツアー初優勝に向け、少しずつ視界が広がりつつある。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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