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2023.7.2

桑木志帆、惜敗に号泣 次に活かすと誓う

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

資生堂 レディスオープン 戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)最終日

 JLPGAツアーで初めてプレーオフを経験する2人が、梅雨の晴れ間の暑さに負けないぐらいの熱い戦いを繰り広げた。プレーオフ2ホール目、舞台となった18番・パー4には強いフォローが吹き抜ける。ともにティーショットでフェアウェイをキープ。先に第2打を打ったのは桑木志帆だった。ピンまで残り106ヤードある。「フォローにボールを乗せるつもりでしっかり打とう」。52度のウェッジを振り切った桑木。ボールはグリーンに乗ったものの、ピンの6メートル手前に止まる。「いいショットだったんですが、今一つ風に乗せることができませんでした」。少しだけ悔いが心に残った。

 後に打った櫻井心那の第2打はピンの上だが桑木よりも内側につける。このパッティングを沈めなければ敗れるかもしれない。しっかりと打つことだけを考えていたが、ボールは緩やかなフックラインを描きながらカップの前に止まる。上り傾斜ではあるが、予想以上にその度合いが強かったことでボールの勢いが弱められた。また、フォローだったので気持ち的に少し弱めに打ったことも否めない。しかし、桑木は一切いい訳をしなかった。「自分のメンタルが弱かったからです」。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 今月に入ってから調子を上げていた桑木だが、今大会を迎えるに当たって、決してショットの調子は良くなかったと言い続けてきた。その中でも試行錯誤しながら、なんとか調子を取り戻そうとした。コーチがいないため、自分のスイングは自分でチェックするしかない。「テークバックのとき体が右に流れてしまうことが影響して、インパクトでは左足に体重が乗る前にボールをとらえていました」。それが原因で出球を左に打ち出せなかったという。持ち球がフェードボールなので、その分ボールは右に大きく曲がり、フェアウェイをとらえることができなかった。

 しかし、最終日はなんとか調整して、前日は3回しかとらえることができなかったフェアウェイを8回とらえることに成功した。調子が悪いながらも5バーディーを奪い、プレーオフに持ち込んだのは、大きな成長の証でもある。

 結果的に、櫻井がプレーオフ2ホール目で2.5メートルのバーディパットを沈めて、桑木の敗戦が決まった。その瞬間、拍手をして勝者を讃えたが、グリーンを離れた瞬間に悔し涙がこぼれてきた。この世界は結果が全てであり、優勝しか考えていなかった桑木にとって2位は自己最高位とはいえ、納得できる結果ではない。ただ、ベストを尽くしたからこそ、負けたことに対する悔しさも大きい。

 「悔しいですけど、自分が持っているものはすべて出せたと思います。相手の方が強かったですし、また優勝争いできるように頑張ります」と前を向いた桑木。今回の勝負には敗れたが、18番グリーンを囲んでいた大ギャラリーからの桑木に対する拍手と声援は櫻井に対するものにひけをとらなかった。近いうちに桑木が勝利を呼び込むことを多くの人が感じた証拠だろう。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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