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2023.7.20

福岡は準ホーム 阿部未悠が好発進

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

大東建託・いい部屋ネットレディス ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡県)第1日

 福岡は準ホーム。阿部未悠が後半戦、素晴らしいスタートを切った。5アンダー。しかもノーボギーラウンド。しかし、「後半、チャンスがあったけど、すべてパーセーブでした。もう少し、スコアを伸ばしたかった」と悔しさをにじませた。というのは中学、高校時代を過ごした思い出深い福岡だ。「きょう、たくさんの方が応援に来てくださった。だから、もっともっといいプレーをお目にかけたかったです」という。

 とはいえ、久々にスカーッとするベストショットが飛び出す。前半の14番。「残り168ヤードの第2打を3Uで、イメージ通り。ピン横2メートルからバーディーでした」と相好を崩す。オープンウィークをはさみ間違いなく、調子は上がっている。

 2週前、自身が「もっとも大事な試合」と位置付けた、ミネべアミツミ レディス 北海道新聞カップが予想外の結果に終わった。特別協賛のミネベアミツミは自身の所属先。加えて、地元・北海道開催という重要な大一番。ところが6月下旬、体調を崩し、懸命に回復を目指したものの、思い通りには事が運ばなかった。

 「ひとことでいえば、怒り。ショットが悲惨でした。すごく落ち込んでしまったけど、ゴルフの調子が上がり切らなかった。その分、気合を入れながら頑張ったけどうまくいかない。そもそも、体調を崩した私が悪いわけです。自己管理ができなかった私への怒りですね」と、唇をかみしめながら、反省の言葉を絞り出すかのよう。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 さらに、「プロ2年目の去年、8月。所属の話をいただいた。リゾートトラスト レディス最終日のホールインワンを、(ミネベアミツミ)貝沼由久会長が、たまたまみてくださったことがご縁のはじまり。だから、よけいにプレーで恩返しをしたかった」と言葉を区切り、「第2日、プレーを終えた後、ごあいさつにうかがうと、来年もまた試合がある。その時は-と逆に励ましてくださって・・・。そういうことをいわせてしまった。だから、自分自身に対して、腹が立ちました」と、副賞800万円獲得で話題を集めた、さらなる舞台裏を明かした。

 こんな話題を正直に語る、責任感の強さがうかがえる。しかも直立不動で。後半戦のスタートを前に、オープンウィークは心身ともしっかりと準備を整えた。「まだ、未勝利ですから初優勝を目指すことは当然。そのためにも上位争いをしたい」。控えめに、今大会の意気込みを語っている。Xデーは一日でも早い方がいい。怒りはパワーに変わった。

(青木 政司)

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