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2023.9.30

原英莉花、パッティングの微調整で公式競技V3に王手

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン公式競技・第3戦『日本女子オープンゴルフ選手権』(賞金総額1億5,000万円/優勝賞金3,000万円)大会第3日が9月30日、福井県あわら市・芦原ゴルフクラブ海コース(6528ヤード/パー72)で行われた。首位と3打差でスタートした原英莉花が6バーディー、2ボギーの68で回り、通算11アンダーで単独首位に立つ。1打差の10アンダー、2位に菊地絵理香、4打差の7アンダーに古江彩佳が続いている。
(天候:晴れのち曇り 気温:28.5℃ 風速:1.7m/s)
《グリーン=スティンプ:10 1/2フィート コンパクション:22mm》

 「運よく長いパットが序盤から決まってくれたのでいい流れでプレーできたかなと思います」とホールアウト後に語った原英莉花。まさにその言葉どおり1番・パー5では7メートル、3番・パー3ではなんと22メートル、8番・パー4では9メートルのバーディーパットを沈めて見せた。ただ、原がいうように運がよかったから決まったわけではない。しっかりと根拠はある。前日のラウンドではボールを右に打ち出すストロークだったため、思うようにボールがラインに乗らず、カップを外すことも少なくなかった。特にスライスラインではカップまで届く前に右に切れて外れてしまったという。それを修正するため、この日はボールに順回転を与えるように心掛けた結果、プッシュすることなく、ボールが真っ直ぐ転がるようになったのだ。

 「おかげで今日はスライスラインが入ってくれました」と笑顔を見せた原。3番では、予想以上にティショットを左に打ち出した結果、22メートルの超ロングパットが残ったが、そのラインがまさにスライスラインだった。「ショートだけはしないように心がけた」というパットはカップに近づくにつれて右に曲がっていき、吸い込まれるようにカップの中へと消えていった。首位の菊地絵理香とは3打差でスタートしたが、このバーディーで一気に1打差に迫っただけでなく、その後のプレーに対して勢いをつけたのは間違いない。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 パッティングが良くなるとショットも冴える。5番・パー5ではティーイングエリアで20分近く待たされたが、体が硬くならないようにストレッチをしっかり行っていたことで、ドライバーショットをフェアウェイのど真ん中に運ぶ。打ち下ろしではあったが、548ヤードのホールで残り210ヤード地点まで飛ばした。そこから7Wを選択すると、高い球でピン上8メートルにナイスオン。2パットでバーディーを奪った。

 さらに、11番・パー4では第2打を左へ引っかけ、この日最初のピンチを迎える。左足下がりのライでボールはスッポリと深いラフの中。にもかかわらず、砲台グリーンのためボールを打ちあげなければいけない。しかも、手前のグリーンエッジとピンの間は4ヤードしかない。難度特Aの状況だったが、ボールを高く上げただけでなくスピンをかけたことで、ピンの1.5メートル先に止めて見せた。「芝が長いのでボールの下にどれだけスペースがあるのか分かりませんでしたが、こういうライからは入念に練習してきたので自信を持って打ちました」。パーパットを沈めて見事パーセーブ。一つ間違えればダブルボギーもあっただけに、大きな1打となった。

 今大会で前回優勝したときは2位以下に4打リードで最終日を迎えたが、今回はわずかに1打のリードしかない。それでも「最後まで焦ることなく、自分のプレーをするだけです」と、気負いは感じられない。どこまで自分を信じてプレーできるかどうかが、公式競技3勝目のカギを握りそうだ。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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