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2023.10.8

申ジエ-ボミへ捧げるサンデーチャージ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント 東名カントリークラブ(静岡県)最終日

 友情のサンデーチャージ。申ジエが6アンダー、2ボギーの通算9アンダーでホールアウトした。前日の23位タイから、大きくジャンプアップした。浮上の要因はパター。意外な舞台裏を明かす。「読みがハズれて…」。フーッとため息をついた。「第1日からコースはすごくいいコンディション。また、パッティングの調子が良かったし、これは第2日以降、グリーンのスピードが上がると予想した」という。

 ということで、「形状は同じ。でも、ヘッドが軽いパターへスイッチして、ボールの転がりをもっと良くしようと思ったけど、(第2日は)思い通りにいかない。そこで最終日は再び、第1日に使用したヘッドが重いパターにした。アップダウンがきついにもかかわらず、大勢のギャラリーさんが一緒に歩いてくれたから、何とかいいプレーをお見せしたい。特に後半は必死です」と話した。

 ちなみに、パターヘッドの重量差は6グラム。「1グラムの違いでも私はわかります。重量が増えたことで、きょうはショートパットが安定した」そうだ。17番はピン右から3メートル、18番がピン手前2メートルを決め、連続バーディーフィニッシュ。面目躍如といったところか。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 ただし、誰にも明かさなかった本音がある。「どうしても優勝したかった」。今大会はJLPGAツアーを引退するイボミと、同じフィールドでプレーするラストゲームになった。この後、2試合を欠場する。「久しぶりにボミと会って、たくさん話をした。思い出はつきませんよ。同じ88年生まれの(キム)ハヌルが引退。今度はボミでしょう。本当にさびしい。置いていかないで…そんな心境です。そうしたら、ボミから今回は、私のために優勝をしてほしい。真剣に言われました。だから、優勝を狙ったけどダメでしたね」と、しんみりと語っている。

 わずか6グラムが明暗を分けた。続けて、「ボミとは中学1年生から一緒に試合へ出場していた。それから、プロへ転向してから韓国ツアーで一緒だったのは、わずかに1年だけです。私がUSLPGAツアーへ挑戦したから。所属スポンサーが同じで、とにかく仲が良かった。あす、東京でボミと(イ)ナリの3人で食事をします。日本食レストランで、楽しい時間を過ごしてきますね」。

 一方、僅差で首位に立っているとはいうものの、メルセデスポイント争いも気がかりだろう。何といっても、2試合欠場が最後の最後でどう影響するか。「次週は私が主催するジュニアの試合。こういう貢献も、プロとしてすごく大切でしょう。その翌週は韓国でUSLPGAツアーの試合へ出場する。20年、コロナ禍で1試合だけ出場したけど無観客。だから、韓国でギャラリーの前でプレーすることは5年ぶりです。家族も楽しみにしている」。

 JLPGAツアーは残り7戦。だが、申は3試合欠場のスケジュールで残り4試合で悲願の年間女王へ勝負をかける。「私はもう、20歳ではない。4日間競技のラスト2試合を乗り切るためのプランですよ」。

 綿密な計画を練った。あわせて永久シード獲得まで、あと2勝。こちらもカウントダウンがスタートした。目標がたくさん-プロゴルファーの幸せをかみしめている。

(青木 政司)

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