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2023.10.28

2位T・山下美夢有-ノーボギーが告げた上昇機運 

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)第2日

 山下美夢有の代名詞といえば、ノーボギーラウンド。この日、6バーディーを奪い、しかも富士通レディース第1ラウンド以来、通算61回目のノーボギーに笑顔がはじける。

 「いいラウンドでした。比較的、ショットが安定していて、手前から攻めることを徹底した結果です。グリーンコンパクションがカタいとチャンスが少ない。攻守のマネジメントをしっかりできた」と、久々にVへの手応えは十分だ。

 確かに、指定練習日から表情が柔和だった。「天気がいいから」と漏らしていたものの、それは調子が良かったからに違いない。改めて、ホールアウト後に、「今回は私らしいプレーができていると感じた」という。

 ファンにとってみれば、山下=ショットメーカーのイメージだろう。ところが、やはりカギを握るのはショートゲームと、パッティング。加えて、「前週から、ショートゲームの練習量を増やしている。ショットばかりやっていてもダメです」を痛感した。続けて、「9月中旬、調子がすごく落ちてしまった。第1打がラフ。第2打でもグリーンをとらえられないことが多かったです。いいスイングができない。毎週、悩むことばかりでした」と本心を明かしたのは、完全復調した証明だ。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 しかも、ロングパットが決まっている。6バーディーの内、4ホールはピン手前から4バーディー。とりわけ7番は10メートルをカップインさせた。そして、13、14番の連続バーディーも、お見事。13番はピン横6メートルをしっかりねじ込んでいる。「スピードが出ます。だから、タッチだけをスタート前の練習から意識した」と、シンプルに考えた結果だろう。

 年間女王争いも1位の申ジエへ肉薄。その申が今大会、予選落ちを喫しているだけに、19位以内(2人まで)なら、首位浮上の可能性が出てきた。「タイトルなんてまったく考えていない。去年はたまたまでしょう。私が気にしているのは唯一、3パットをしないように…です」と、目前の試合へ全集中である。

 最終日へ向け、「ガマンが必要な難しいセッティングは私に合っています。コースに試されている。そう考えると、ガマンは楽しいものですよ。とにかく、しっかりプレーするだけ。今大会で再認識しましたね」。そういうと、瞳が輝いた。もちろん、あすもノーボギーが目標だ。

(青木 政司)

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