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2023.10.29

パッティングの明暗 山下、仁井が語った

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)最終日

 上位選手が次々に入れ替わるスリリングな展開。勝負を分けたのは、パッティングだった。この日、最大のアドバンテージを得たのは最終組の山下美夢有だろう。

 最終ホールでバーディーを奪い、プレーオフへ。相手の2人はともに優勝は未経験だった。ところが、残り30ヤードの第3打でピンをオーバー。「思っていたより、クラブが強く入ってしまった」と唇をかんだ。「きょう、ショットの調子は悪くはなかったけど、パッティングとアプローチが…。まだまだ、だなぁ」と、大きなため息をつく。

 象徴的だったのは16番、1メートルのパーパット。ところが左のカップへ蹴られてしまった。「普通ならカップインする距離。16番に限らずそれを外している。原因がよくわからない。きょうはボギーも多かった」と首をひねった。もし、このパッティングを決めていれば-というターニングポイントである。

 そうはいっても、メルセデス・ランキング首位を奪回。「切り替えて次週へ臨むだけです。悪いところを直して、いい状態で迎えたい」。11月決戦でのリベンジを誓った。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 一方、この日、名言を残した仁井優花である。プロ2年目で今季、トップ10フィニッシュは7回。ただし、し烈な優勝争いは初めてだった。目に見えないプレッシャーを感じたのは、18番を使用したプレーオフ。「最終日のラウンドとまったく同じスライスライン、距離も1.3メートルでこれまた同じでした」とひと息つく。「優勝争いというのは、こういうものか、と実感したのは17番。それまではどんな状況だったか、わからなかった。精神的にこんなふうになるんだなぁと思った。プレーオフではタッチが…。打ちきれなかった。左カップのふちを狙うだけで良かったのに。最後のパッティングだけ、悔いが残った」という。

 それでも、上位で戦う喜びを、「初めてのプレーオフ。きょうもラウンド中、たくさんのギャラリーさんから声援をいただきました。すごくうれしい。これからの励みになりました」と笑顔を浮かべている。

 サインを求められると、名前と21を書き添える。姓の『仁井』を数字にしたものだ。とはいうものの、「もう、2位はいりません」。自戒を込めて、心へ刻んだ。

(青木 政司)

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