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2023.11.21

申ジエ-宮崎の太陽にも感謝を込めて

<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン最終戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金3,000万円)が11月23日、宮崎県宮崎市・宮崎カントリークラブ(6,497ヤード/パー72)で開幕する。21日は指定練習日。また、公式会見が行われた。

 フィールドには今季のツアー優勝選手、ロレックス ランキング上位選手、メルセデス・ランキング上位選手、40人が集結。年間女王決定戦だけではなく、今年は特に見どころの多いファイナルである。

 南国・宮崎らしい小春日和。申ジエは、太陽のあたたかさを全身に感じながら、いつになく入念な調整を重ねた。「この一年間、とてもはやかった。すごく暖かいし、いい練習が長くできる。ありがたいですね。私は、宮﨑が大好きだから、そのおかげかもしれない」と言葉が弾んだ。

 悲願の年間女王を目指し、最後の戦いへ挑む。その表情、姿には気負いがない。置かれた状況を楽しんでいるように映る。メルセデス・ランキングはもっか、1位・山下美夢有、2位・申、3位・岩井明愛。しかも小差である。タイトルの確定の行方はいくつものパターンが存在するが、シンプルにいうとトップ3は優勝すればいい。実にわかりやすい構図だ。

 「女王になるためにはここだけではない。シーズンを通して活躍しなければなりません。私は当然だけど1試合、1試合へ全力を傾けてきた。だから、今回だって特別な感じはしていない。でも、今回はひとつの大きなテーマがあります。今季、感じたことは皆さんが、私を応援してくださる声援が増えたように感じる。いいプレーができるのはそのおかげです。ということで4日間、感謝を忘れずに-をテーマにした」。

 35歳。昨オフ、通常とは違う年間スケジュールを立てている。「手首やひじなどの持病が心配なくなった。コンディションはすごくいい」と言葉を区切り、「何といっても、コロナ禍が一段落するようなムードになってきた。これなら、もう一度、いいプレーを見せられる。今まで、戦ってきた韓国、アメリカ、ヨーロッパ、それから日本など、もう一度、世界を目指そう。お世話になった皆さんにもお会いしたい」。

 JLPGAツアーを中心に、出場チャンスを与えてくれるなら、どこへでも足を運ぶ覚悟を固めた。まさに、集大成である。日本では2勝ながら、4大メジャーで大活躍。かつての世界ランキング1位は再び、輝きを取り戻す。しかも、もっかの世界ランキングは16位。予想外といっては失礼だが24年、パリ・オリンピック出場も視界へ取り込んでいる。

 「せっかくのチャンスです。できる限りのことはする。ポイントを数多く、稼ぐためにはUSLPGAツアーへの出場も必要でしょう。もう来年のスケジュールを頭に入れながら、推薦などスポットで参戦できる試合を確認中」と漏らした。挑戦できることを、楽しみとして、精進を重ねるエネルギーに変えている。素晴らしい人生の見本のようにも感じた。とはいえ、地に足をつけ、今回は優勝だけをターゲットにする。

 「前週はみぞれが降っていたし、幸運もほほ笑んでくれない。だけど、それがゴルフです。悪いことの後には、努力を続けていれば必ず、いいことがある。きょうの暖かさがそうでしょう」。日日是好日の精神だ。気負いがない。レジェンドの神髄を垣間見た。

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